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台東海洋生物館、赤字続きで閉館


ニュース 社会 作成日:2008年11月7日_記事番号:T00011416

台東海洋生物館、赤字続きで閉館

 
 生きた化石といわれる貴重なハイギョ(肺魚)や、東部海域の回遊魚、さんご礁に生息する海洋生物などを集め、政府が3億台湾元(約9億円)を投じて2002年2月にオープンした国立台東海洋生物展覧館(台東海生館、台東県成功鎮)が、東海岸を訪れる観光客の激減とともに10月末にひっそりと閉館した。

 台東海生館は2005年2月からOT(運営・譲渡)方式で経営権を取得した徳河公司が運営していたが、同館の年間入館者数は平均わずか5万人。これまでの3年半で損失額は1,000万元以上に上った。そこに景気低迷が直撃し、赤字経営の出口が見えなくなったことで、委託契約の期間満了を待たずに撤退を決めた格好だ。運営を委任した行政院農業委員会(農委会)基隆水産試験所東部海洋生物研究センターも人手や予算不足で、運営引き継ぎを断念せざるを得ないという。

 交通が不便な東海岸観光エリアは今年1~10月、観光客が前年より30万人も減少し、延べ245万人まで落ち込んだ。中でも台東海生館は、東部を代表するテーマパーク、イルカショーが人気の花蓮遠雄海洋公園(花蓮県)や、国際級の国立海洋生物博物館(屏東県)などに挟まれた場所に位置し、しかも比較的小規模だったことから客足を奪えなかったようだ。

 東部海岸国家風景区管理処は目下、生態観察ツアーや先住民族の村を訪れる部落ツアーなどを検討中。台東海生館という期待の星を失った現在、なんとかあの手この手で東海岸に観光客を呼び戻そうと苦心している。なお、台東海生館に残された海洋生物は、大型魚は水産試験所のスタッフが引き続き飼育し、は虫類は業者に引き取られる運命だそうだ。