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作成日:2008年11月10日_記事番号:T00011457
企業の対中送金、規制緩和で急増
上場・公開企業による投資を目的とした中国への送金額が今年第3四半期、投資規制の緩和を受けて、従来平均の約2倍に当たる522億台湾元(約1,560億円)に上ったことが分かった。今年上半期合計(450億元)をも上回る額で、規制緩和の効果がたちどころに表れた形だ。10月の新たな規制緩和によって、上場・公開企業の大部分が対中投資の上限規制を撤廃されたため、今後投資額、送金額ともにさらに増えていくことが予想される。10日付自由時報が報じた。
台湾証券交易所の統計によると、台湾企業による対中送金の累計額は、今年第3四半期末時点で8,113億元(上場企業7,003億元、店頭公開企業1,110億元)に上り、第2四半期末から522億元増加した。過去5年間の年間平均額は約1,000億元で、今年は第3四半期だけでこの半分に当たる送金があったことになる。
企業の対中投資額は陳水扁前政権時代、最大で純資産の40%までに規制されていたが、馬英九政権は今年8月1日、台湾に経営本部を設置する企業については投資上限を撤廃し、一般企業に対しては最大60%への緩和を行った。
また、台湾に経営本部を置く企業は8月の時点では444社だったが、経済部は10月、「経営本部」の条件を緩和し、これにより対象企業は1,200社以上に拡大、大部分の上場・公開企業が投資上限撤廃の対象に含まれたという。
第3四半期に対中送金額が最も多かった上場企業は、遠東紡織(ファーイースタン・テキスタイル、遠紡)で45億元。このほか、▽宏達国際電子(HTC)、14億6,000万元▽英華達(インベンテック・アプライアンシズ)、13億元▽台湾水泥(台湾セメント)、8億元──などとなった。
中国進出企業、成長鈍化
ところで、第1~3四半期の上場企業の対中投資による利益は307億元で、上半期の953億元からペースが鈍化した。
上半期には黒字を計上したものの、第3四半期に赤字に転落した大企業も多く出たようだ。損失が目立ったのは、▽華碩電脳(ASUS)、8億元▽佳世達科技(Qisda)、5億元▽華新科技(ウォルシン・テクノロジー)、3億元▽台湾セメント、1億元▽金宝電子工業、1億元──などだという。