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《24年花蓮地震》花蓮地震で13人死亡、タロコ観光に打撃(トップニュース)/台湾


ニュース 社会 作成日:2024年4月8日_記事番号:T00114616

《24年花蓮地震》花蓮地震で13人死亡、タロコ観光に打撃(トップニュース)/台湾

 3日発生した花蓮県沖地震で、8日午前時点で死者13人、負傷者1145人が確認され、太魯閣渓谷(タロコ渓谷)で行方不明6人の捜索活動が続いている。地震の影響で不通となっていた幹線道路、蘇花公路(省道台9線)や中部横貫公路(省道台8線)は7日正午までに車両の運行を再開し、太魯閣(タロコ)国家公園内のホテルなどに取り残されていた307人の孤立状態が解消された。太魯閣国家公園は休園中で、再開時期は未定だ。タロコ観光復興は少なくとも1年、長くて3~5年かかるとの見方がある。8日付自由時報などが報じた。

/date/2024/04/08/20dog_2.jpg花蓮県の太魯閣国家公園で、行方不明者6人の捜索が続いている(5日=中央社)

 行方不明のうち5人は、新北市の家族3人とオーストラリア籍のシンガポール人2人で、太魯閣国家公園の砂卡礑遊歩道を中心に捜索が続けられている。花蓮県仁礦区の採掘場、中和鉱場では、男性1人が土砂に埋まっているとみられ、道を塞ぐ土砂を重機で撤去している。捜索地点にたどり着くまでに1~2日かかる見通しだ。

 トルコの救助隊が7日から、ドローン(無人航空機)3機を使って捜索に加わった。

 花蓮県観光協会の陳義豊・理事長は、地震で宿泊施設のキャンセルが相次ぎ、4月の予約率は10%を下回り、4月の観光業の損失は53億台湾元(約250億円)に上ると推測した。

 太魯閣国家公園内にある高級ホテル、天祥晶英酒店(シルクスプレイスタロコ)は4月末まで休業、太魯閣山月村(タロコビレッジホテル)は5月末まで休業する。

 地震では、太魯閣国家公園の観光客や従業員、中部横貫公路や蘇花公路を車で走行していた人や駐車場にいた人などが落石で死亡したほか、花蓮市内の築38年の8階建て集合住宅、天王星大楼が大きく傾き、ペットを助けに戻ったとみられる女性が死亡した。天王星大楼は5日、解体作業を開始した。2週間で完了する予定だ。

/date/2024/04/08/00building_2.jpg花蓮市内の集合住宅、天王星大楼は、余震で中断しつつ、解体作業を進めている(6日=中央社)

老朽住宅の被害深刻

 花蓮地震は、マグニチュード(M)7.2で、1999年9月21日にマグニチュード7.3を観測した中部大地震(921地震)以降、最大規模だった。花蓮県で最大震度6強を観測したほか、台北市、新北市、桃園市、台中市などで5強、高雄市や台南市などで震度4を観測した。

 花蓮県だけでなく、台北市や新北市などでも築30年以上の老朽住宅が地震で深刻な被害を受け、2018年2月の花蓮地震以降も、老朽建築物の耐震問題が放置されている現状が浮き彫りとなった。

/date/2024/04/08/00building_taipei_2.jpg新北市土城区の集合住宅は、地震で鉄筋コンクリート製の梁がむき出しになった(3日=中央社)

 内政部国土管理署の8日発表によると、7日午後9時までに、花蓮県、台北市、新北市、基隆市、桃園市で被災建物の危険度判定の依頼が848件あり、うち42件(花蓮県32件、新北市4件、桃園市4件、台北市2件)が主要構造部の安全性に懸念があるなど「危険(赤紙)」と認定された。台北市万華区の築60年の集合住宅「南機場」や、新北市土城区の築32年の集合住宅に赤紙が貼られた。

 99年の中部大地震では、2415人が死亡し、1万人以上が負傷、住宅10万棟近くが全壊した。その後の建築法改正で、耐震性の強化が求められ、中部大地震以降に建設された住宅は安全性が向上した。しかし、16年2月の南部地震や18年2月の花蓮地震でもビルが傾いたり倒壊し、深刻な被害となった。

 築30年以上の住宅は台湾全土に500万棟以上、新北市は83万棟、台北市は66万棟残っている。

 

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