次期経済部長に指名された郭智輝・崇越集団董事長（71歳）は16日、過去40年間、産業界で培った経験と人脈を生かし、サステナブルな（持続可能な）経済に転換すると決意を表明した。崇越集団などの全ての職務から退く。産業界が関心がある▽電力、▽土地、▽水、▽人材、▽労働力──の「5欠（5つの不足）」問題について、5月20日の就任までに友人知人や専門家に意見をもらい、就任後に発表すると述べた。業界では、電力の安定供給が最大の課題で、太陽光発電などの再生可能エネルギー（グリーンエネルギー）推進に注力すると予想されている。17日付経済日報などが報じた。

次期経済部長の郭氏（右）は16日、TSMCの魏哲家（シーシー・ウェイ）総裁など、半導体業界に限定せず、各界に教えを請う考えだと語った（16日＝中央社）

　5月20日、蔡英文・総統（民進党）が2期の任期（2016～24年）を終え、頼清徳・政権（民進党）が発足する。次期行政院長（首相に相当）に指名された卓栄泰・元民進党主席（65歳）は16日までに、経済・財政関係の主な閣僚人事を発表した。

　工業の経済団体、中華民国全国工業総会（工総、CNFI）の苗豊強・理事長は、郭氏は半導体産業に詳しく、半導体産業の発展に期待でき、人材不足やエネルギー政策など5項目を提言したと述べた。

　業界関係者は、電力不足解消のため原子力発電所（原発）の運転期間延長（脱原発の撤回）を求める声があるが、郭氏のこれまでの経歴から、原発再稼働の提言を受け入れる可能性は低いとの見方を示した。

　崇越集団の中核企業、崇越科技（トプコ・サイエンティフィック、TSC）は、シリコンウエハー世界最大手の信越化学工業の台湾代理店で、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造（TSMC）や聯華電子（UMC）と関係深い。半導体のほか、太陽光発電向け材料も手掛けている。

　郭氏は、半導体産業で40年以上の経歴があり、「半導体業界の生き字引」と称される。3日の花蓮地震発生時は、すぐに石英製品を顧客に提供し、ファウンドリーや液晶パネルメーカーの稼働再開に協力した。

外交部長、林佳龍氏か

　次期外交部長や国防部長、大陸委員会（陸委会）主任委員など、外交や中台関係に関するポストはまだ発表されていない。

　蔡・総統は16日に総統府でニュージーランドの国会議員団と会談した際、総統府の林佳龍・秘書長は外交部長に就任し、呉釗燮・外交部長は国家安全会議（国安会）の秘書長に就任する予定だと紹介した。

次期外交部長は林・行政院秘書長（右2）、次期国安会秘書長は呉・外交部長（右1）となりそうだ（16日＝中央社）

　劉世芳・次期内政部長は、人事は確定次第、発表すると説明した。

　続いて19日と22日に閣僚人事を発表する予定だ。

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