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《頼清徳総統就任》「中華民国台湾は主権国家」、中国が強く反発【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 政治 作成日:2024年5月21日_記事番号:T00115411

《頼清徳総統就任》「中華民国台湾は主権国家」、中国が強く反発【図表】(トップニュース)/台湾

 頼清徳・総統が20日の就任演説で、中華民国台湾は独立した主権国家で、中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しないと強調し、中華民国が存在している事実を直視するよう中国に対し呼び掛けた。中国の王毅・外相は同日、訪問先のカザフスタンで、「世界に中国は一つしかなく、台湾は中国の一部で、変えようのない事実だ」と反論。台湾独立(台独)の行為は、国際秩序に対する挑戦で、台湾海峡の現状を変える危険な変更だと、強くけん制した。産業界は、頼・総統は団体旅行の再開や台湾留学受け入れなど中国に誠意を示したとはいえ、強気の姿勢は変わらず、両岸(中台)交流の再開は依然不透明とみている。21日付聯合報などが報じた。

/date/2024/05/21/00dinner_2.jpg頼・総統(中)は20日夜、公式晩餐会「国宴」で、総統就任記念式典などに出席した来賓をもてなし、台湾の文化や景色を体験し、末永く厚い友情を築いてほしいと述べた(総統府リリースより)

 王・外相は、台湾は中国の一部という「一つの中国原則」こそが、台湾海峡の平和を維持し、台独の行為は台湾海峡の平和を破壊すると強調した。

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 中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)の陳斌華・報道官は同日、台独は出口のない道で、台独を支持しても、必ず失敗に終わると警告した。

日米が支持表明

 米国のブリンケン国務長官は、頼・総統の就任に祝意を示し、長年にわたる非公式な関係を深め、台湾海峡の平和と安定を維持すると声明を発表した。

/date/2024/05/21/00america_2.jpg頼・総統(中)は20日午後、米国のブライアン・ディーズ前国家経済会議(NEC)委員長(左4)とリチャード・アーミテージ元国務副長官(左2)ら訪問団と会談し、安全保障や経済貿易などの協力が続き、米台の堅固で盤石なパートナー関係を深化させたいと述べた(総統府リリースより)

 日本の林芳正官房長官も同日、頼・総統の就任に祝意を示した上で、台湾との関係を非政府間の実務関係として維持し、日台間の協力と交流のさらなる深化を図っていくと述べた。

6月に団体旅行再開か

 頼・総統は就任演説で、中国は台湾の人々が合法的に選んだ政府との間で、対等と尊厳の原則の下、まずは観光旅行や台湾留学の再開から、平和と共栄を追求しようと呼び掛けた。

 旅行業界団体の中華優質旅遊発展協会(ハイ・クオリティー・オブ・トラベル・アソシエーション)の李奇嶽・理事長は、頼・総統は演説で中国に誠意を示したと指摘。ただし、6月1日以降の台湾人の中国団体旅行を解禁しない限り、双方の団体旅行再開は困難との見方を示した。

 台湾の交通部は当初、今年3月から台湾人の中国への団体旅行を解禁する方針を発表したが、中国が中国人の台湾への団体旅行を再開しなかったことなどを理由に、2月7日に台湾の旅行会社に対し、募集停止を命じた。催行が決定していた3~5月出発のツアーのみ実施している。

 中国の文化和旅游部は4月28日、福建省の住民に限り、馬祖列島(連江県)旅行を解禁すると発表した。福建省福州市の平潭~台湾を結ぶフェリーの運航が再開すれば、福建省の住民の台湾への団体旅行も再開すると説明した。

 これに対し、台湾の大陸委員会(陸委会)は28日、中国側の再開は福建省に限定されており、仮に台湾側が全面再開すれば、対等の原則に合致しないと指摘した。王国材・交通部長は29日、中国側の誠意がみられたものの、予想より限定的で、6月から団体旅行を解禁するか、関係部会(省庁)と検討すると語った。

 

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