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半導体やサーバーなど六大産業、「経済で台湾を守る」【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース その他分野 作成日:2024年5月31日_記事番号:T00115625

半導体やサーバーなど六大産業、「経済で台湾を守る」【図表】(トップニュース)/台湾

 20日に発足した頼清徳・政権で、経済政策の策定などを担う国家発展委員会(国発会)で主任委員を務める劉鏡清氏は30日、台湾を守る「護国神山」として、半導体やサーバー、ハイエンドの自転車など六大産業を掲げた。世界市場シェア16~90%を誇る六大産業のサプライチェーン(供給網)での影響力をさらに高め、世界経済における台湾の地位を高めると説明した。人工知能(AI)と半導体を柱に、3カ月以内に国家発展4カ年計画を提出する予定だ。31日付聯合報などが報じた。

/date/2024/05/31/00ryu_2.jpg劉・主任委員は30日、サーバーやファウンドリーは世界市場シェアが高く、台湾のサプライチェーン(供給網)が寸断すれば、世界のサプライチェーンが寸断すると述べた(30日=中央社)

 劉・主任委員は立法院経済委員会の業務報告で、台湾のサーバーやストレージは世界市場シェア90%、ファウンドリーは世界シェア65%、ICパッケージング・テスティング(封止・検査)は世界シェア53%を誇り、十分な実力を備えていると説明した。

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 続いて、▽IC設計(世界シェア17.3%)、▽電子部品(世界シェア16.2%)、▽ハイエンド自転車(世界シェア19.8%)──を支援し、世界シェアを30%以上に引き上げることで、「6つの山ができる」と語った。高給の就業機会を増やし、台湾を「経済の日が沈まない国」にすると述べた。

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 劉・主任委員は、半導体の製造、封止・検査は既に国際的地位を築いており、今後の半導体産業の発展は、IC設計や半導体設備、材料にスポットを当てると述べた。IC設計のアジア太平洋の中心となり、台湾製設備の大手メーカーの採用を増やすことで、IC設計や設備、材料の生産額を3倍にすると語った。

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 頼・総統は20日の就任演説で、「台湾経済の奇跡(1960年ごろからの高度経済成長期)」をもう一度起こし、台湾を「経済の日が沈まない国」にすると表明していた。

応用やサービス強化

 劉・主任委員はこのほか、「AIバリューチェーンのスマイルカーブ(付加価値)向上」計画を掲げた。スマイルカーブとは、バリューチェーンの上流工程(商品企画や部品製造)と下流工程(流通・サービス・保守)は付加価値が高く、中間工程(組立・製造工程)の付加価値は低いという考え方のこと。

 劉・主任委員は、半導体製造は世界シェア首位ながら、応用サービスは世界シェア1%にすぎず、今後はAIを使ったスマート交通、医療、製造などを強化し、スマイルカーブの両端を拡大すると述べた。「テックハブ(TechHub)」を開設し、グローバル人材やスタートアップを育成する。

 地政学的リスクがもたらすビジネスチャンスをつかむため、頼・総統が掲げた▽半導体、▽AI、▽軍需、▽セキュリティー、▽次世代通信──の「五大信頼産業」にも注力し、投資環境を改善し、企業の投資を促進すると語った。

 

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