2009年期待のハイテク製品は、ブルーレイディスク(BD)関連、フレキシブルディスプレイ、超小型プロジェクター──。拓ボク産業研究所(ボクはつちへんに僕のつくり、TRI)は12日、来年成長が見込める3種類の「スター製品」を発表した。ブルーレイドライブ向けのチップセットの量産を開始した聯発科技(メディアテック)や、電子ペーパー用ディスプレイで世界最大手の元太科技工業(PVI)など、各製品とも台湾企業が積極的に参入しており、市場の拡大とともに業績への貢献度が高まりそうだ。13日付蘋果日報が報じた。
12年までに1.3億世帯に
HD-DVD規格の次世代光ディスク市場からの撤退により、来年はBD関連製品の普及が本格的に加速する見込みだ。米国の調査会社、ストラテジー・アナリティクスは、BDはプレーヤーやゲーム機、パソコンを合わせ08年末までに世界で2,940万世帯、12年までには4倍以上の1億3,200万世帯に普及すると予測している。来年いっぱいは、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のプレイステーション3(PS3)がけん引するとの予測だ。TRIの楊勝帆副所長は、BDプレーヤーは、今年初めて価格が200米ドルを下回り、09年に販売台数が1,000万台を突破するとみている。
台湾で、BDに取り組んでいる企業は少なくない。パソコン(PC)用ドライブは、 ▽広明光電(クアンタ・ストレージ)▽華碩電脳(ASUS)▽建興電子科技(ライトンIT)──が製造し、宏碁(エイサー)やASUSが採用している。このほか、再生ソフトウエアは訊連科技(サイバーリンク)、チップセットはメディアテック、ディスクは中環(CMCマグネティクス)、ライ徳科技(ライテック、ライは金へんに来)と、多くの分野にわたっている。
各種製品に応用
表示部分が変形可能な「フレキシブルディスプレイ」を使った電子ペーパーの市場規模は、2010年の5億米ドルから12年の10億米ドルへと倍増するとTRIは予測している。同製品は、電子ブックのほか、空港などのデジタルサイネージ(電子看板)や、スーパーマーケットでの電子値札など、さまざまな製品への応用が期待されている。
台湾パネルメーカーで参入しているのは、▽元太科技工業(PVI)▽奇美電子(CMO)▽奇晶光電(チーメイEL)▽友達光電(AUO)──などで、中華映管(CPT)と勝華科技(ウィンテック)は電子ブックのパネルモジュールを手掛けている。
重量150グラム前後の「超小型プロジェクター」も、携帯情報端末(PDA)や携帯電話に内蔵できるレベルにまで小型化されており、他製品との組み合わせに将来性が期待できる。
台湾メーカーでは、米プロジェクター大手、オプトマの台湾法人である奥図碼科技や天瀚科技(アイプテック・インターナショナル)などのプロジェクターメーカーが取り組んでおり、鴻海集団傘下の富士康科技集団(フォックスコン)や揚明光学(ヤング・オプティクス)、亜洲光学(アジア・オプティカル)が受託製造に参入している。
来年の「スター製品」とされる3製品でも、台湾メーカーは改めて世界に存在感を示しそうだ。
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