陳水扁前総統と民進党の蘇治芬・雲林県長、陳明文・嘉義県長のいずれも10月下旬以降に汚職で逮捕された3人が、いずれも司法の公平性に抗議するためハンガー・ストライキで抗議を続ける異常事態になっている。14日付中国時報は、「これによって司法に対する社会の不信感が高まっており、軽く見てはならならない」と馬英九政権に注意を促している。
このうち絶食が10日目となり身体が著しく衰弱した蘇・雲林県長は12日夜、強制入院となって点滴による栄養補給を受けた。13日に見舞った呂秀蓮副総統は「国民党の汚職役人で、逮捕されたものがいるだろうか。馬総統の就任後、台湾の法治と人権は大幅に後退した」と語り、相次ぐ民進党関係者の逮捕は政治的判断による迫害だと強く批判した。
蘇治芬・雲林県長が入院した病院では、支持者たちがススキを手に「県長は無罪だ」と声援を送った
(13日=中央社)
中国時報は一方で、「民進党の政治家の絶食抗議は、国民党側の目には『過激な行動による司法への脅迫』と映るだけだ。また、陳前総統のケースでは中間層の多くが汚職を疑っており、2県長のハンガーストライキが陳前総統によって正当性を失わないかよく考える必要がある」と民進党側にも注文をつけている。
一方、陳前総統に対しては、15日に再度検察の事情聴取を受けると報じられている呉淑珍夫人が13日、「裁判闘争は長い時間がかかるため、絶食をやめてちゃんと食事を取るように」と呼び掛けた。