自動車大手、裕隆集団傘下の中華汽車工業（チャイナ・モーター、CMC）は13日、英MGブランド初の台湾生産純電気自動車（BEV）のスポーツ用多目的車（SUV）「MG4」を発売した。グループ傘下の納智捷汽車（ラクスジェン・モーター）のBEV「ラクスジェンn7」に続く、台湾生産BEVの2車種目だ。価格は99万9000台湾元（約487万円）からで、低価格EVで市場シェア拡大を狙う。MGモーター台湾の陳宗裕・総経理は、MG4の7月の新車登録台数は250台以上、通年では1600台以上と予想した。14日付工商時報などが報じた。

英MGブランドの台湾生産BEV、MG4（MGモーター台湾リリースより）

　中華汽車の陳昭文・総経理は、MG4をEV購入の第一の選択にしたいと語った。より気軽にEVを購入できるよう、100万元未満の低価格に抑えたと語った。ほぼ利益は出ないが、市場シェアを拡大し、長期的な成長につなげる考えだ。

　MG4の試乗は既に7000人が申し込んだ。

　MG4は後輪駆動（RWD）の旗艦版と4輪駆動（4WD）のXパワーの2モデル展開で、価格はそれぞれ99万9000元、118万9000元だ。

　陳・総経理は、MG4 EV旗艦版の航続距離は567キロメートルで、都市エリアでの移動に適していると説明した。バッテリーにはセルトゥパック（CTP、電池セルモジュールではなくセルを直接組み合わせる製造方法）技術を採用し、体積が小さく密度の高い薄型バッテリーを実現した。残量10％から、26分間で80％まで充電でき、5分間の充電で100キロメートル分充電できる。

MG4はスマートフォンのアプリでリモートの充電予約や車両の位置情報検索、エアコン制御などができる（MGモーター台湾リリースより）

　MG4シリーズはスマート運転支援システム「MGパイロット2.0」を採用し、車間距離の維持や車線変更、合流車両への対応などの支援システムを搭載した。

MG、中華汽車の4割へ

　中華汽車は2022年2月にMGを台湾に導入し、台湾生産SUV「HS」を発売、23年に小型SUV（CUV）「ZS」を発売した。高品質で低価格を売りとする。

　MGの24年新車登録台数目標は前年比90％増の2万5000台だ。中華汽車は前年比22％増の6万6000台が目標で、MGが全体の35〜40％を占めることになる。

　陳・総経理は、MGのサービス拠点と展示スペースを年内に30カ所へと9カ所増やす計画だと語った。

ラクスジェンn7、予約拡大

　裕隆集団傘下のラクスジェンは13日、台湾生産BEV「ラクスジェンn7」の予約受け付け対象を非会員に拡大した。会員からの招待で予約できる。特別価格の103万9000元からで、昨年と比べ6万元引き下げた。期間は30日まで。

　ラクスジェンn7の5月新車登録台数は1100台で、テスラに続き、EVの2位だった。EV市場シェアは25.4％。

　裕隆集団の厳陳莉蓮（リリアン・チェン）・董事長は、中華汽車とラクスジェンの2ブランドで台湾のEV市場を盛り上げると語った。

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