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TSMCの3ナノとCoWoS、5〜20%値上げか【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2024年6月17日_記事番号:T00115889

TSMCの3ナノとCoWoS、5〜20%値上げか【図表】(トップニュース)/台湾

 サプライチェーン(供給網)関係者によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、先進3ナノメートル製造プロセスでの受託生産価格を5%以上引き上げるほか、先進パッケージング(封止)のチップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)も、25年に10〜20%値上げするようだ。AI(人工知能)アクセラレータ需要が高まり、CoWoS生産能力の供給不足が続いている。17日付工商時報が報じた。

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 AIモデル発表が相次ぎ、データセンターの需要が拡大する中、AIアクセラレータの需要も拡大している。業界関係者によると、AIアクセラレータは、最先端の製造プロセスを採用しないが、先進パッケージングが必要だ。TSMCの先進パッケージング生産能力をどれだけ確保できるかが、半導体メーカー大手の市場シェアを握る。

 TSMCの先進パッケージング生産能力は、グラフィックスプロセッサー(GPU)大手の米エヌビディアが約半分を確保しているようだ。このほか、米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やブロードコム、アマゾン、マーベル・テクノロジーなども採用を表明している。

 エヌビディアは粗利益率が80%近く、先進パッケージング生産能力を確保するため、値上げを受け入れるとみられる。

 証券会社によると、25年の先進パッケージング需要は60万枚を超える見通しだが、25年のTSMCの供給量は53万枚の予測で、7万枚不足する見通しだ。

CoWoS生産能力拡大

 TSMCは、AI需要拡大によるCoWoSの供給不足を受け、生産能力拡大を急いでいる。

 サプライチェーン関係者によると、TSMCの新竹科学園区(竹科)竹南科学園区(苗栗県)の先進パッケージング工場(AP6工場)は1年前に稼働し、AP6C工場の設備搬入に伴い、台湾最大のCoWoS拠点となった。第3四半期(7〜9月)にCoWoS月産能力が3万3000枚へと、現在の1万7000枚の約2倍になる見通しだ。

 サプライチェーン関係者は、TSMCは第3四半期にCoWoS設備を増設する予定で、設備メーカーに対し、TSMCの竹科の龍潭科学園区(桃園市龍潭区)のAP3工場、竹南園区のAP6工場、中部科学園区(中科)のAP5工場などにエンジニアを追加派遣するよう求めていると明かした。

 中科工場は、従来は後工程のウエハー・オン・サブストレート(WoS)工程しか手掛けていなかったが、チップ・オン・ウエハー(CoW)工程も手掛ける。南部科学園区(南科)嘉義園区(嘉義県太保市)はCoWoS工場建設の用地を整地している段階で、竹科銅鑼科学園区(苗栗県銅鑼郷)工場より進捗が早そうだ。

3ナノ、25年もフル稼働

 TSMCの魏哲家(シーシー・ウェイ)董事長は6月4日の株主総会で、AI需要が非常に楽観でき、値上げの余地があると語っていた。

 TSMCの3ナノは、アップルやエヌビディアなど大口顧客7社が2026年までの生産能力を確保している。証券会社は、TSMCは3ナノや5ナノなど先進製造プロセスも価格を調整すると指摘した。3ナノは下半期(7〜12月)に受注が高まり、フル稼働が25年まで続くとみられる。

 

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