ニュース 運輸 作成日:2024年6月25日_記事番号:T00116041
海運大手、陽明海運(ヤンミンマリン)は24日の業績説明会で、7月は欧米の需要期に当たり、海上運賃は高値が続くと予想した。その上で、イエメンの反政府武装勢力フーシ派による紅海での船舶への攻撃(いわゆる紅海危機)が長引いており、海運市場への影響は短期的に解消が困難で、たとえ緩和したとしても、海上運賃は年末まで高止まりするとの見方を示した。25日付工商時報などが報じた。
陽明海運は、紅海危機で顧客の出荷が混乱しており、需要期が始まる第3四半期(7〜9月)の貨物量は前年同期より多いと指摘した。市場の需給バランスが崩れており、製造業でいうところの「フル稼働でも、足りない状態だ」と説明した。
陽明海運は24日時点で、船舶93隻、70万TEU(20フィートコンテナ換算)近い輸送力を保有している。年末までに、新たに1800TEU型のバンコクマックス(タイのバンコク港に入港可能な最大船型)1隻を追加し、アジア航路に投入する計画と説明した。陽明海運のコンテナ輸送力は世界10位で、第1四半期(1~3月)の売上高構成比は、▽米国、40%、▽欧州、32%、▽中東・南米・豪州など、18%、▽近海、10%──だった。
陽明海運の蘇育文・財務長(CFO、最高財務責任者)は、全世界の今年のコンテナ船供給は9.7%増加したものの、紅海危機の影響で世界の輸送力は20%減少したと説明した。極東〜欧州航路はアフリカ南端の喜望峰経由の迂回(うかい)ルートで運航しているため、従来より船舶が2〜4隻多く必要な状況だと指摘した。
来年は需給均衡へ
陽明海運は、第3四半期は需要期に当たるが、地政学的リスクなどで、市場の見通しは不透明で、需給バランスは来年、正常化に向かうと予想した。
紅海危機が続く中、コンテナ海運大手、マースクとMSCは、7月1日から極東~欧州、米国東部航路の運賃を1FEU(40フィートコンテナ換算)当たり2000米ドル、約20%引き上げると発表した。陽明海運や長栄海運(エバーグリーン・マリン)、万海航運(ワンハイラインズ)も追随する見通しだ。
海事調査会社、アルファライナーなどは、船舶の引き渡しで、上半期(1〜6月)の輸送力は148万7000TEU増加し、通年では305万〜310万TEU増加し、2024〜25年のコンテナ船輸送力の成長率は需要を上回ると予測した。
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