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TSMCの先進封止CoWoS工場、屏東県にも設置か【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2024年6月26日_記事番号:T00116066

TSMCの先進封止CoWoS工場、屏東県にも設置か【図表】(トップニュース)/台湾

 26日付経済日報によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、AI(人工知能)半導体向けの先進パッケージング(封止)技術、チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)の生産能力不足を受け、屏東県にも新工場を設置するため、用地を探しているようだ。TSMCの先進封止工場は現在、▽新竹科学園区(竹科、新竹市)、▽竹科龍潭科学園区(桃園市)、▽竹科竹南科学園区(苗栗県)、▽中部科学園区(中科、台中市)、▽南部科学園区(台南市)──にあり、屏東工場が実現すれば、南科嘉義園区(嘉義県太保市)で建設中の新工場に続く7カ所目となる。

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 経済日報の取材に対し、TSMCから期限までに回答はなかった。科技園区を管轄する国家科学および技術委員会(国科会)は、そのような話は聞いていないが、工場設置については企業が発表するものと説明した。

 周春米・屏東県長は先ごろ、工場の候補地をピックアップしており、行政院を通じてTSMCを誘致したいと語っていた。南科屏東園区の開発面積は173.16ヘクタール(ha)。地下水などの水資源も豊富だ。▽スマート農業・医療、▽グリーンマテリアル(環境に配慮した素材)、▽宇宙技術、▽その他の新興技術──を誘致する計画で、CoWoS工場は新興技術に該当する。屏東園区では、半導体製造の重要材料であるネオンガス工場を建設中で、半導体の先進プロセス投資の誘引となる。

 南科屏東園区は2023年に、中央政府が進める南部でのテック産業クラスター(集積地)計画の一部として、南科嘉義園区と同時に着工した。南にある台1線(縦貫公路)は屏東市や高雄市にアクセスでき、西側の国道7号は高雄港に続いている。

 屏東県政府はESG(環境、社会、ガバナンス)を推進し、2022年に台湾の県市政府で初めて、事業の使用電力を100%再生エネルギーで賄うことを目指す国際企業連合「RE100(アールイー100)」に参加し、民生用電力を100%グリーン電力で賄っている。

ASEなどに委託拡大か

 TSMCの先進封止工場は現在、▽竹科、▽竹科龍潭園区、▽竹科竹南園区、▽中科、▽南科──にある。建設中の南科嘉義園区(嘉義県太保市)では、第1工場(P1)は建設現場から遺跡のようなものを発見したため建設作業を停止し、2基目(P2)の工事を先に進めることとなった。

 TSMCのCoWoSは、グラフィックスプロセッサー(GPU)大手の米エヌビディアや米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などAI半導体メーカーが大口顧客だ。AIブームで供給不足が続いている。

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 TSMCは、今年CoWoS生産能力を倍増させる目標だ。魏哲家(シーシー・ウェイ)董事長は4月の業績説明会で、CoWoSの供給不足解消のため増産しているものの、顧客の需要を満たし切れないため、封止メーカーへの委託を拡大したと語っていた。半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手の日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)などに委託したようだ。

 

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