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派遣市場が不況で急拡大、Q3求人4割増


ニュース その他分野 作成日:2008年11月14日_記事番号:T00011610

派遣市場が不況で急拡大、Q3求人4割増

 
 人材派遣市場が、不景気を背景に急拡大している。104人力銀行によると、今年第3四半期の求人件数は1日平均1万1,075件と、前年同期比で40%以上も増加した。台湾でも既に営業や技術など専門職が派遣市場の主流となっており、今後市場のさらなる拡大とともに、高技能で高賃金の派遣労働者の増加も予想される。14日付蘋果日報などが報じた。
 
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 派遣社員の求人は2003年は1日2,000件以下だったため、この5年で5倍以上に増加した。前年比の伸びからは特にこの1年の成長が著しいことがうかかがえる。これは2007年7月の基本給与(最低月額給与)の引き上げに加え、米国発の金融危機など世界的な不況が大きな要因だ。
 
 104人力銀行が企業500社を対象に11月初旬に行ったアンケート調査によると、「来年、派遣社員やパートタイマーなど非正社員の雇用を予定している」と答えた企業は23%に上る。「正社員の雇用を予定している」のは46.8%だった。この結果からは、人材の採用を予定している企業の3分の1が、非正社員で労働力を補おうと考えていることが分かる。
 
 日本の厚生労働省の発表によると、昨年の日本の労働市場で非正社員が労働者全体に占める割合は37.8%で、派遣労働者の比率は4.7%と、前回調査(04年)の2.0%から2倍以上に増加している。台湾もこうした日本の傾向を後追いする可能性が高い。
 
ホワイトカラーにも拡大
 
 派遣労働者の職種別求人では、▽メーカーの研究開発(R&D)、前年比83.7%増▽財務・税務会計、82.5%▽ソフトウエアエンジニア、72.9%──など、高度な専門知識・技能を必要とするものが急増している。
 
 月給平均は、▽域内営業、6万2,398台湾元(約18万円)▽ソフトウエアエンジニア、5万695元──など、高水準の職種もみられる。
 
 なお、企業の89.1%が、人材の欠員が生じた際、業務パフォーマンスの優秀な派遣労働者の、正社員への転換を検討するとしている。このため、派遣を就業チャンスの一つとして前向きにとらえる求職者もいるようだ。
 
金融や半導体業界が積極的
 
 業種別で派遣労働者の求人が最も多いのは、金融業界(保険以外で求人全体の28.0%、保険5.7%)だ。海外大手銀行の、▽シティバンク▽英スタンダード・チャータード系の渣打国際商業銀行▽ABNアムロ(荷蘭銀行)──などが積極的で、テレマーケティングや人事・総務アシスタントとして雇用している。
 
 次いで半導体業で、7.7%に上る。ファウンドリー2強の台湾積体電路製造(TSMC)、聯華電子(UMC)や、奇美集団傘下のドライバICメーカー、奇景光電(ハイマックス・テクノロジーズ)も導入している。
 
【図】