ニュース
社会
作成日:2008年11月17日_記事番号:T00011613
中華航空CA、米国人セクハラ客告訴で逆境に

今年4月25日、米国ニューヨーク行きの中華航空(チャイナエアライン)機内で米国籍客によるセクハラ事件が発生した。加害者は国立中山大学(高雄市)客員副教授、ノエル・ケイラー氏で、被害者は女性CA(客室乗務員)の郭さん。郭さんがCAの座席に座っている同氏に自分の座席に戻るよう言ったところ、ケイラー氏はなんと公衆の面前で郭さんのお尻を5、6回もんだという。
頭にきた郭さんはケイラー氏をセクハラで告訴。3,000台湾元(約8,800円)の賠償判決が出た一審を不服として控訴し、二審で同氏が賠償金15万元を支払うことで7月に和解が成立した。
ところが、これで一件落着かと思えば大間違いだった。8月に米国の通過ビザを更新するため米国在台協会(AIT)を訪れた郭さんは、ビザ発給拒否という思いがけない通知を受けることに。
AIT側の理由は、「郭さんが米国公民を含むすべての乗客の安全を確保するという職位に適任かどうかを確認することができないから」、というものだった。
郭さんは過去に問題を起こした記録もなく、ビザ申請に当たっては雇用主である中華航空の保証がある。しかも、当人がCAに適任かどうかは、米国移民官員ではなく雇用主が認定すべきこと。ビザ発給拒否は、郭さんが米国人客をセクハラで告訴したことに対する嫌がらせであることは明白だった。その後、郭さんのビザは11月上旬にやっと発給された。一連の過程について多くのCAが、「米国人客のセクハラには、抗議せず我慢しろとでもいうのか」と憤りを見せている。
ある調査によると、CAの45%がセクハラ被害を受けた経験があり、そのうち72%は旅客が加害者だった。最も狙われる部位はお尻で、次いで胸がターゲットにされやすい。CAがセクハラに抗議した場合、「わざとではなかった」と謝る加害者がほとんどで、この米国人客のように堂々と触るケースは珍しいという。