市場調査会社、ディスプレイサーチの謝勤益・大中華地区総経理によると、深刻な景気後退を受け、日韓の大手家電メーカーが液晶パネルの海外からの調達を減らし、自社または国内メーカーからの調達比率を引き上げるもようだ。減産と価格下落が続く中、台湾パネルメーカーにとっては大きな打撃となる。17日付工商時報が伝えた。
東芝はシャープと提携し、来年はテレビパネルの30%近くをシャープから調達する。また、三洋電機は友達光電(AUO)と奇美電子(CMO)からパネル全体の65%を調達していたが、パナソニックに買収されることが決まったため、取引への影響は確実だ。ソニーはシャープとパネル生産の合弁で合意しており、来年は11%をシャープから調達するもようだ。
サムスン電子のLGディスプレイ(LGD)からの調達率は、今年の35%から来年は43%になる見込みだ。これにより、AUOの受注減少が懸念されている。また、LGDの32インチパネルのオファー価格は230米ドルだが、既に180~190米ドルの現金コスト以下で取引されているもようだ。しかし、ウォンの暴落で利益は確保できるとされ、台湾メーカーの価格競争力を奪っている。
工業技術研究院産業経済趨勢研究センター(IEK)の鍾俊元・副総監は、台湾メーカーは、中国市場を開拓することで、今回の危機を乗り切るべきだと語っている。中国には規模が大きく成長率の高い市場が存在する一方で、台湾メーカーには研究開発(R&D)や低コストの生産技術があり、相互に利益があるとしている。