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パッケージング・テスティング、中国投資を開放か


ニュース 電子 作成日:2007年6月25日_記事番号:T00001165

パッケージング・テスティング、中国投資を開放か

 半導体のパッケージング・テスティング分野の中国投資開放に、経済部が積極姿勢に転じたもようだ。25日付工商時報によると、陳瑞隆経済部長が6月上旬に大手業者を集めた会議で開放支持の姿勢を表明。業界では、今後認可手続きが順調に進むことを期待している。

 会議に参加したのは日月光半導体(ASE)、セキ品精密工業(SPIL、セキは石へんに夕)、華東科技(ウォルトン・アドバンスト・エンジニアリング)、超豊電子(グレーテク・エレクトロニク)の4社。4社とも会議の詳しい内容については明らかにしておらず、経済部幹部も同紙の取材に対し、「肯定も否定もしない」という態度だ。しかし、パッケージング・テスティング企業の中国投資に関する、規定審査と行政プロセスに関する関係部会(省庁)会議が近く開催される見通しだ。

 パッケージング・テスティングメーカーの中国投資は、昨年に申請を許可したが、これまで承認を受けたのは、日月光による上海・威宇科技の買収案件のみ。一方で、台湾積体電路製造(TSMC)、力晶半導体(PSC)、茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)は、8インチウエハー工場の投資が認可されており、各パッケージング・テスティングメーカーが、「後工程メーカーのみ許可されないことは正当性を欠いている」と陳情を続けた結果、陳経済部長の前向きな発言につながったもようだ。

 中国のパッケージング・テスティング市場はちょうどこれから活発化する状況だ。米インテルが大連への12インチウエハー工場設立を決定したため、今後続いて海外大手IDM(垂直統合型の半導体メーカー)、ファウンドリーが進出するとみられ、台湾の4大パッケージング・テスティングメーカーが進出すれば、相当のビジネスチャンスを期待できる。

生産準備は先行

 日月光はNXP半導体との合弁で、蘇州にパッケージング・テスティング工場を設ける予定で、経済部の開放姿勢を受けて、パッケージングのワイヤ・バウンダーの調達を増やしている。合弁工場の出資比率は日月光6割、NXP4割。稼働の許可を得れば、NXPからの受注などで、月間売上高100億台湾元は簡単に達成できるとみられる。

 華新グループ傘下のパッケージング・テスティングメーカーである華東科技は、すでにCMOSイメージセンサー向けのパッケージング・テスティング工場を建設しており、このほど第2工場も完成した。政府の許可が下りれば、台湾のパッケージング・テスティングメーカーとしては、初の合法的な生産を行う業者となりそうだ。

 なお、経済部の会議が開かれてから20日以上がたっているが、各メーカーはいまだ正式な許可証を受け取っておらず、工商時報によると、このことがさらにメーカーの口を堅くしているようだ。