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作成日:2008年11月19日_記事番号:T00011675
給湯器の盗難続出、寒波到来で住民が悲鳴

今年初めての寒波到来で、台湾北部はここ数日冷え込みがきつい。こんなときには熱い風呂に入って体を温めたいところだが、なんと給湯器の盗難が相次いでいるという。
台北市万華区ではここ1カ月余りで、100台を超える給湯器が盗まれていることが判明した。被害者の多くは、入浴時になかなかお湯が出ず不審に思って調べてみると、屋外に設置していた給湯器が跡形もなく消えていたという。
住宅街では建物の裏手に防火線として細長い通路が設けられており、ターゲットになった給湯器の多くは、この通路に面した壁に設置されていた。防火線用通路を挟む両側の住宅100軒余りのうち、4分の1に当たる25軒が被害を受けたエリアもあった。
高齢者が多い同地区の住民は、「この寒いのに冷水を浴びるなんて、体がもたない」と憤懣(ふんまん)やるかたなしだ。仕方なく新しい給湯器を購入し、自衛手段として給湯器に盗難防止のチェーンを施錠。警察も盗難多発エリアへの巡回警備を強化している。
業者によると、給湯器の主流は屋外設置型のRFタイプと、屋内設置型のFEタイプの2種類で、価格は5,000~1万8,000台湾元(約1万4,500~5万2,300円)。
盗んだ給湯器を転売、または分解して鉄や銅の部品を売った場合、1台当たり600~700元の利益が得られるという。また、発展途上国向けに売れば一般のクズ鉄よりも高い値がつくらしい。
給湯器メーカーの台湾桜花(サクラ・タイワン)によると、台北地区での給湯器盗難は少なくとも数百台規模と、従来の2倍以上に激増している。盗みやすく転売しやすい給湯器は、目下犯罪グループにとって格好の標的となっているようだ。