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パネル部材メーカー、空前の苦境


ニュース 電子 作成日:2008年11月19日_記事番号:T00011703

パネル部材メーカー、空前の苦境

 
 大手液晶パネルメーカーが相次いで減産に入っていることを受けて、日系を含む関連部材メーカーが深刻な受注減と納入価格の引き下げに直面しており、第4四半期は大幅な減収減益が見込まれている。大部分は来年上半期を持ちこたえられはするものの、第1四半期に体質の悪いメーカーの倒産が相次ぐ恐れがあるという予測も証券業界から示されている。19日付工商時報などが報じた。
 
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 「10月に40%もの値下げを求められた」。南部科学工業園区(南科)のある液晶パネル用ガラス関連の日系メーカーはワイズニュースの取材に対し、取引先の大手パネルメーカーから厳しい姿勢で要求を突き付けられたと明かした。値下げ要求は8月ごろから2~5%幅で続いていたが、第4四半期に入って一挙に大きくなった。同社では既に8月からライン稼働率を50%前後に引き下げているほか、派遣社員の削減、無給休暇の実施など、あらゆるコスト削減策に取り組んでいる。

 別のガラス関連の日系メーカーは「受注量が20~30%減少した」と話す。化学材料の日系メーカーも「稼働率が50%に落ちた」と厳しい現状を打ち明けた。

値下げの波止まらず
 
 19日付経済日報によると、大手パネルメーカーは既にコスト割れを起こしており、この11月、各部材メーカーに取引価格をさらに低くするよう要求。部材メーカーの経営圧力はこれまでになく高まっている。

 市場調査会社、ウィッツビューによると、今四半期の各部材別の前期比での値下がり幅は、▽第5・6世代用ガラス基板、3%▽7.5世代用ガラス基板、4%▽カラーフィルター(CF)、4~11%▽液晶テレビ・モニター用バックライトモジュール、5~7%▽ノートパソコン用バックライトモジュール、約3%▽偏光フィルター、4~7%▽ドライバIC、4~7%──などとなっている。

 受注減に値下がりが加わり、バックライトモジュールや偏光フィルター、CFなどのメーカーの一部は、今四半期に赤字に陥る見通しだ。

5社が赤字に
 
 パネルメーカーは今四半期、▽友達光電(AUO)▽奇美電子(CMO)▽中華映管(CPT)▽群創光電(イノルックス・ディスプレイ)▽瀚宇彩晶(ハンスター)──の5社とも赤字を計上する見通しとなっており、ある大手メーカーは「工場を閉鎖したほうが赤字が少なくて済む」と語っている。

 奇美電は部材メーカーへの支払いを遅らせていると指摘されているが、陳世賢同社財務処長は「まだ納入されていない設備の供給メーカーに対して支払いを遅らせていることは確かだ」と認めた。しかし、既に出荷した部品メーカーへの支払いについて、「遅延は絶対ない」と強調した。

【表】