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《パリ五輪》長栄集団が独立反対表明、傘下ホテルの中国国旗問題で(トップニュース)/台湾


ニュース 商業・サービス 作成日:2024年8月26日_記事番号:T00117154

《パリ五輪》長栄集団が独立反対表明、傘下ホテルの中国国旗問題で(トップニュース)/台湾

 長栄集団(エバーグリーン・グループ)傘下のホテル、巴黎長栄桂冠酒店(エバーグリーンローレルホテル・パリ)でパリ五輪開催期間に中国人インフルエンサーが中国の国旗「五星紅旗」を館内に飾るよう求めたが断られた動画を投稿したことを発端に、中国で同ホテルのボイコット運動が広まる中、長栄集団は23日、謝罪した上で、(中台が「一つの中国」の原則を口頭で確認したとされる)「1992年の共通認識(92共識、92コンセンサス)」を認め、台湾独立(台独)に反対する立場を表明した。長栄桂冠酒店は15日にも、対応に不行届きがあったと、謝罪声明を発表していた。台湾の外交部と大陸委員会(陸委会)は24日、中国政府が民族主義を煽り、経済的な脅迫で政治的操作を行っていると強く批判した。25日付聯合報などが報じた。

/date/2024/08/26/00china_2.jpg大陸委員会は、北京当局は両岸の対立を煽動することを放任した責任を負うべきと批判した(22日=中央社)

 中国のインフルエンサー「張教官」が13日、巴黎長栄桂冠酒店はパリ五輪の参加国の国旗を飾っているのに、中国の国旗だけがなく、飾ってほしいと伝えたところ、ホテルに断られたという内容の動画を中国のSNS(交流サイト)、微博(ウェイボー)に投稿した。これを見た中国の一部ネットユーザーが、エバーグリーンローレルホテルのボイコットを呼び掛け、中国の旅行サイトで、上海市の長栄桂冠酒店上海(エバーグリーンローレルホテル上海)やパリの巴黎長栄桂冠酒店の予約ができなくなった。フランスでは中国政府系の組織、中国和平統一促進会や中国の商工団体40以上が集結し、ボイコットを決定した。

/date/2024/08/26/00eva_2.jpg長栄集団は23日、張栄発文教基金会が賛助する基隆市の中元節(旧暦7月15日、2024年は8月18日)イベント「鶏籠中元祭」の起源について言及し、両岸は同じ中華民族で、血縁を切ることはできないと指摘した(21日=中央社)

 フランスの中国大使館は、華僑コミュニティーの愛国的な行動を高く評価し、強く支持すると表明した。また、ホテルの行為は中国の国家の尊厳を直接侵害したと批判した。

 長栄集団は23日の謝罪声明で、「92コンセンサス」と「台湾独立反対」を認め、ホテルが騒動を引き起こしたことを謝罪すると発表した。従業員教育を徹底し、再発を防ぐと表明した。

 また長栄集団は、創業者の張榮発氏(1927年~2016年)は生前、両岸(中台)の平和的発展に尽力し、両岸の「三通」(直接の貿易、交通、郵便)を推進したと強調した。張氏は「92コンセンサス」と「台湾独立反対」こそが両岸の対話の基礎と考え、自分は台湾人であり中国人でもあると言っていたと指摘した。台湾独立は必ず両岸関係の動揺を招くとして、市民生活の安定が最も重要だと強調した。

 大陸委員会は24日、中国は近年、外国企業に公式ウェブサイトで台湾を国として表示しないよう圧力をかけたり、台湾産の農水産物の輸入を停止したりするなどして、「一つの中国」を受け入れるように迫っており、国際社会の不安や台湾人の反感を招いていると指摘した。その上で、台商(中国で事業展開する台湾系企業)は中国の経済発展に貢献しており、台商の権益を守り、投資環境を改善するよう中国に訴えた。

「中国台北」、入境拒否

 一方、大陸委員会は、9月14日に台湾でコンサートを開く予定だった中国人ラッパー、王以太の入境を認めなかった。チケットはVIP席2900台湾元(約1万3000円)、一般席2300元で完売し、15日の追加公演も予定していた。大陸委員会は、アルバムのプロモーションに「次は中国台北」の文言を記すなど、台湾を矮小(わいしょう)化しており、大陸地区人民進入台湾地区許可弁法に違反したためと説明した。

 大陸委員会は、中国のアーティストやタレントが訪台して公演することは歓迎だが、「対等と尊厳の原則」を守るべきで、台湾の地位を貶める表現は認めないと説明した。

 

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