ニュース 商業・サービス 作成日:2024年8月27日_記事番号:T00117178
台湾を代表する小籠包(ショーロンポー)が看板メニューの飲食チェーン、鼎泰豊(ディンタイフォン)は26日、10月末までに北京、天津、厦門(アモイ)など14店の営業を終了すると発表した。鼎泰豊は、中国の華北地域などで展開する代理店、北京恒泰豊餐飲とのライセンス契約を終了するが、中国(香港、マカオ含む)の他の都市の24店は営業を続けると説明した。27日付工商時報などが報じた。
鼎泰豊の北京漁陽店(26日=中央社)
鼎泰豊は世界に174店、うち中国(香港、マカオ含む)に38店ある。北京恒泰豊は2004年に設立し、20年間のブランドライセンス契約で、▽北京市、▽天津市、▽陝西省西安市、▽青島市、▽アモイ市──で計14店を営業している。10月末までに14店の営業を終了し、会社を解散する。台湾人従業員23人を含む800人を解雇する。
北京恒泰豊の楊炳坤・総経理は、来店客の20%が海外からの旅行者で、ビジネスでの会食も多かったが、コロナ禍は収支がほぼトントンで、今年上半期(1〜6月)もやや赤字だったと説明した。7〜8月は繁忙期で、海外からの旅行者が徐々に戻っているものの、中国の飲食市場は楽観できず、来年上半期(1~6月)まで好転が望めない状況で、解散で株主の意見が一致したと語った。
北京恒泰豊に10%出資している台湾の大成集団(大成グループ)は26日、北京恒泰豊が主導しているので、コメントはしないと説明した。
鼎泰豊は、華北エリアでまた出店したいが、今のところ交渉相手はいないと説明した。
台湾の飲食チェーン、閉店ラッシュ
中国では経済の減速で個人消費が低迷し、第1四半期(1〜3月)に飲食店46万店が閉店した。台湾の飲食チェーン大手は中国の事業縮小や撤退を進める一方、米国での出店を増やしている。
ギョーザチェーンの八方雲集は、最盛期は中国に100店以上あったが、22年12月に中国市場から撤退した。モスバーガーを運営する安心食品服務(安心フードサービス)は、最盛期は中国に24店あったが、今年5月に中国市場撤退を発表した。残るアモイの6店を今年で閉店する。
焼き肉チェーンの乾杯グループは上半期(1~6月)に7店を閉店し15店となり、下半期(7~12月)に4店を閉店する予定だ。喫茶チェーンの85度Cは、23年9月末時点で575店あったが、今年5月に500店を割り込んだ。タイ料理レストランなどを展開する瓦城泰統集団(TTFB)は23年に、上海の2店以外を閉店した。
業界関係者は、中国市場はかつて急成長し、台湾を上回る業績を挙げたこともあったが、コロナ禍でデリバリーが普及したことで、小規模な飲食事業者は撤退を迫られ、大規模なチェーンは事業縮小で赤字を抑えるしかなくなったと分析した。台湾の飲食事業者は中国の飲食事業者と比べると資金力が少なく、リソースも限られることから、いつかは中国市場が回復するとしても、待っていられないと指摘した。
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