ニュース 電子 作成日:2024年8月29日_記事番号:T00117228
業界関係者によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、9月からのLSI試作・検証サービス「TSMCサイバーシャトル」で、次世代の2ナノメートル製造プロセスを初めて受け付けるようだ。アップルなどIC設計大手がこぞって申し込むとみられる。TSMCの2ナノは、2025年に新竹科学園区(竹科、新竹サイエンスパーク)宝山工場で量産を開始する計画で、アップルが25年秋に発表するとみられるスマートフォン、iPhone17(仮称)シリーズが最初の製品になる見通しだ。29日付工商時報が報じた。
TSMCサイバーシャトルは、マルチプロジェクトウエハー(MPW)を使った試作サービス。複数の顧客のチップを同じテストウエハーに配置し、フォトマスクなどのコストを各社で分担するため、短期間かつ低コストで試作、検証できる。TSMCは例年、3月と9月にサイバーシャトルサービスを受け付けており、プロトタイプのコストを90%削減できるとうたう
TSMCは、サイバーシャトルは現在、0.5マイクロメートルから3ナノまでの製造プロセスが対象で、月に最大10件の枠があると説明した。
利用できなければ半年遅れ
あるIC設計会社の関係者は、TSMCの3ナノは立体構造トランジスタ(FinFET)を採用していたが、2ナノはゲート・オール・アラウンド(GAA)技術を採用するため、製造工程を見直し、最終顧客にも提供する必要があると指摘した。
TSMCの3ナノ受託生産価格はウエハー1枚当たり2万米ドル、2ナノは2万4000〜2万5000米ドルとされ、IC設計会社にとって負担が大きい。
ある特定用途向けIC(ASIC)設計会社の関係者は、ナノメートルスケールになると、フォトマスクのコストが高く、プロトタイプの設計や検証に時間と費用がかかるので、エラーの許容範囲が小さく、サイバーシャトルサービスでコストを低減すると説明した。
ASIC設計会社の関係者によると、サイバーシャトルサービスは、成熟プロセスが中心で、7ナノ以降の先進製造プロセスの利用は少ない。9月に2ナノでサイバーシャトルサービスを利用できなければ、競合他社に半年の遅れを取ることになる。
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