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京華城跡地開発の汚職疑惑、柯文哲氏を釈放(トップニュース)/台湾


ニュース 政治 作成日:2024年9月2日_記事番号:T00117284

京華城跡地開発の汚職疑惑、柯文哲氏を釈放(トップニュース)/台湾

 第2野党、台湾民衆党の柯文哲・主席(党首、休職中)は30日、台北市長時代(2014年12月~22年12月)にショッピングセンター(SC)、京華城購物中心(リビング・モール、台北市松山区、19年に営業終了)跡地に威京総部集団(コアパシフィック・グループ)が商業施設とオフィスビル「京華広場(コアパシフィック・プラザ)」を建設する計画について、容積率を不正に引き上げる便宜を図り、賄賂を受け取った疑いで、貪汚治罪条例(腐敗防止法)違反で家宅捜索、事情聴取(取り調べ)を受け、31日未明に台湾台北地方検察署(地検)に逮捕された。地検は勾留を請求したが、台湾台北地方法院(地裁)は2日未明、検察の証拠では犯罪事実を認定できないとして、保証金なしで柯氏の釈放を決定した。当時、副市長(18年12月~22年12月)を務めていた彭振声氏は、勾留と接見禁止が命じられた。台北地検はきょう2日午後にも抗告する。2日付中国時報などが報じた。

/date/2024/09/02/00ka_2.jpg柯氏は2日、朝早くから家宅捜索され、2日間にわたり、ひどい扱いをされ、極度のプレッシャーを受けたと語った(2日=中央社)

 リビング・モール跡地の開発は、運営していた威京総部集団(コアパシフィック・グループ)傘下の中国石油化学工業開発(CPDC、中石化)が落札した。威京総部集団は20年3月、応暁薇・台北市議会議員(国民党)を通して、柯・台北市長(当時)に陳情を行い、柯氏は台北市都市計画委員会(都委会)で審議すると口頭で約束した。

 法定の容積率は560%だったが、21年9月に台北市都市計画委員会で20%緩和(672%)が認められ、21年11月に容積率の移転30%を合わせ、容積率は840%と発表された。

 検察と法務部廉政署の調査によると、威京総部集団の沈慶京・主席は容積率を引き上げるために、応・市議に4740万台湾元(約2億2000万円)余りの賄賂を渡した疑いがある。また、柯氏は19〜20年と23年に2件、合計170万元の出所が不明な資金があり、当時副市長だった彭氏は23年に100万元近い不自然な資金移動があり、リビング・モール跡地開発との関係が疑われている。

 台北地検は30日午前7時から、柯氏と彭氏の自宅、柯氏と台湾民衆党のオフィスを家宅捜索した。被疑者として柯氏と彭氏を事情聴取し、証人として柯氏と彭氏の妻を事情聴取した。

 柯氏は31日午前2時になり、疲労を理由に夜間の事情聴取を断ったところ、台北地検に逮捕された。台北地検は、重大な犯罪の疑いがあり、証拠隠滅や共謀の恐れがあるとして、台北地裁に勾留と接見禁止を請求していた。

台湾民衆党、検察のやり方を批判

 台湾民衆党は1日午前に記者会見を開き、柯氏は台北市長時代、清廉潔白で、市政に全力を注いだと強調。台北地検は証拠もなくプレスリリースで贈収賄を指摘したほか、出所不明な資金などの情報をメディアに流し、世論を誘導していると批判した。これに対し台北地検は、捜査は非公開で、情報を漏らすことはないと反論した。

 台北地検の周りには31日午後から、柯氏の支持者や台湾民衆党の立法委員が集まった。2日に釈放された柯氏は、支持者の声援の中、現地を去った。

/date/2024/09/02/00court_2.jpg台北地検の周りには、柯氏の支持者が「柯氏がんばれ」、「潔白を信じている」などのメッセージを掲げて集結した(2日=中央社)

 柯氏は、リビング・モール跡地の開発のほか、第一果菜批発市場(青果卸売市場、台北市万華区)の改築工事を巡っても、威京総部集団に不正に便宜を図った疑いがある。

 

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