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《セミコン台湾》TSMCがAI楽観、CoWoS増産続く(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2024年9月5日_記事番号:T00117364

《セミコン台湾》TSMCがAI楽観、CoWoS増産続く(トップニュース)/台湾

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の何軍・先進パッケージング(封止)技術&サービス副総経理は4日開幕した半導体業界の国際展示会、国際半導体展(セミコン台湾)の講演で、顧客の需要が力強く、AI(人工知能)半導体向け先進パッケージングの生産能力を急ピッチで拡大しており、チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)は2022〜26年の年平均成長率(CAGR)が50%以上の見込みと語った。TSMCの米玉傑・執行副総経理兼共同営運長(COO)は、生成AI(GAI)のChatGPTだけでなく、AIは無限の可能性を秘めており、AIプロセッサー需要も年平均成長率50%と予測した。5日付経済日報などが報じた。

/date/2024/09/05/00semicon_ai_2.jpgセミコン台湾の今年のテーマは、「Breaking Limits: Powering the AI Era.(限界なきAI時代の強化)」だ(4日=中央社)

 何・副総経理はセミコン台湾初日の「3D IC(3次元集積)/CoWoSフォーAIサミット」で特別講演を行った。顧客の需要が力強く、CoWoS工場はこれまで、3〜5年に1基を建設していたが、最近は1年半〜2年のペースだと説明した。顧客にCoWoSの生産能力が足りないと言われ続けているため、プレゼンテーションの資料に生産能力の数字を掲載できないほどだと、冗談混じりに説明した。

 また何・副総経理は、先進パッケージング需要が強いのは、チップレット(小さな半導体のダイ)は先進パッケージングが必要なためと指摘した。例えば、システムオンチップ(SoC)からチップレットに変更し、製造プロセスは7ナノメートル(N7)と3ナノ(N3)を組み合わせれば、コストが24%低減し、歩留まり率は2ポイント上昇すると説明した。TSMCは、3次元(3D)IC封止「TSMC 3Dファブリック」連盟(アライアンス)推進で、3D ICのエコシステム(生態系)を構築し、自動化や標準化、良品率の向上やプロセス管理の安定を図ると語った。

 米・執行副総経理はセミコンのCEOサミットに出席し、「AIのビジネスチャンスは巨大だ」と語った。さまざまな分野でAIが使用され、今後はエッジAI(端末機器に直接搭載したAI)が増えると予測した。例えば、ハイエンドのスマホが多く売れ、スマホの平均販売価格(ASP)が上昇すると指摘した。

/date/2024/09/05/00semicon_booth_2.jpgセミコン台湾は、世界各国・地域の1154社がブース3700小間以上を出展している。開催期間4〜6日の来場者は8万5000人を見込む(4日=中央社)

鴻海、欧州に封止工場検討

 半導体の先進パッケージングについては、電子機器受託製造サービス(EMS)最大手、鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー)の劉揚偉・董事長は4日のセミコン台湾で報道陣に対し、欧州で半導体パッケージング工場の設置を検討していると明らかにした。シリコンフォトニクス(SiPh)とコパッケージド・オプティクス(CPO、光学部品と半導体チップを同じパッケージ基板に実装する)技術の研究開発(R&D)を進めていると説明した。

株価は大幅下落

 一方、3日の米国株式市場で、画像処理半導体(GPU)大手、エヌビディアなどの株価が暴落したことを受け、4日の台湾株式市場の加権指数も2万1092.75ポイントと、前日比999.46ポイント(4.52%)下落した。過去3番目の下落幅だった。

 TSMCの4日株価は、前日比51元(5.4%)下落の889台湾元(約3980円)で、8月上旬以来の安値となった。時価総額は1兆3200億元減少した。

 半導体株では、▽IC設計大手、聯発科技(メディアテック)、1135元(前日比85元下落)、▽ファウンドリー大手、聯華電子(UMC)、53.3元(1.8元下落)、▽半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)、143元(8元下落)──も下落した。AIサーバーの受託生産大手、鴻海や広達電脳(クアンタ・コンピューター)、緯創資通(ウィストロン)なども軒並み下落した。

 証券会社は、エヌビディアに対する市場の過大評価や、米司法省がエヌビディアに対する反トラスト法(独占禁止法)調査に乗り出したとの報道で、株価が暴落したと分析した。

 

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