ニュース 電子 作成日:2024年9月10日_記事番号:T00117436
半導体サプライチェーン(供給網)関係者によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、半導体の微細化に欠かせないとされる、オランダの半導体製造装置大手、ASMLの高NA(開口数)EUV(極端紫外線)露光装置を、9月末までに設置する予定だ。TSMC初の高NA EUV露光装置となる。1号機は実験用で、新竹科学園区(竹科)宝山用地(新竹県宝山郷)の研究開発(R&D)センターに設置する。製造に使用するのは、早ければ2028年ごろに稼働予定の1.4ナノメートル製造プロセス(A14)強化版(A14Pなど)となるようだ。10日付電子時報などが報じた。
TSMCとASMLは9日、コメントを控えた。
業界関係者によると、高NA EUV露光装置は精密かつサイズが大きいため、現在、台湾までや竹科までの輸送方法を検討しているところだ。当初は、年末に到着すると予想されていた。
TSMCの張暁強(ケビン・ジャン)副共同営運長(共同最高執行責任者、Co-COO)は先月、年内に高NA EUV露光装置を調達し、生産には使用せず、提携パートナーとの研究に使用すると語っていた。また今年5月時点で、26年下半期(7〜12月)に稼働予定の1.6ナノメートル製造プロセス(A16)には、高NA EUV露光装置を使用しないと説明していた。
これらの発言から、サプライチェーン関係者は、TSMCは早ければA14Pで高NA EUV露光装置を使用し、1ナノプロセス(A10)以降の先進プロセスに全面的に導入すると予測した。
TSMC、価格交渉成功か
ASMLの高NA EUV露光装置は、1台3億5000万ユーロ(約550億円)以上とされる。情報筋によると、TSMCはASMLとの価格交渉で、1号機の15%のディスカウントに成功した上、ASMLが技術者の教育、保守メンテナンス、部品交換などを支援し、共同の研究開発費を大幅に引き上げる条件を引き出したという。ASMLは、TSMCの高NA EUV露光装置の調達計画を早めたい考えのようだ。
インテルは今年4月に、米オレゴン州ヒルズボロの研究開発拠点に、業界初の高NA EUV露光装置を設置したと発表した。27年に1.4ナノ相当の「14A」プロセスに高NA EUV露光装置を導入する予定と説明した。
最近、インテルは設立以来、最大の危機に陥っている。今年8月1日には、2四半期連続の赤字を受け、従業員の15%に当たる1万5000人を削減すると発表した。コスト削減計画には、ファウンドリー事業「インテル・ファウンドリー・サービシズ(IFS)」の分離(スピンオフ)や売却が含まれる可能性があると報じられており、今後の先進プロセス投資が懸念されている。
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