ペルーの首都リマで22日開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に馬英九総統の代理として出席した連戦・国民党名誉主席は21日、胡錦濤・中国国家主席の宿泊するホテルを訪れ会談を行った。22日付蘋果日報などが報じた。
会談を終えた連戦名誉主席(左)と胡錦濤中国主席(右)。中国は、台湾外交部長の閣僚会議への参加には依然反対で、明確な線引きを行っているようだ(22日=中央社)
会談後に行われた記者会見で、会談の内容について質問を受けた連名誉主席は、「われわれの誰もが関心のあること、双方(中台)がいかにして平和的な発展を築けるか、ダブルウィンを前提とした協力を行えるかについて話し合った」とだけ述べ、詳細は明かさなかった。中台のAPEC代表が会談したのは1991年に台湾が加盟して以来初めて。
また、今後の中台協議の焦点となるとみられる「世界貿易機関(WTO)など台湾の国際機関への参加」について「胡錦濤氏に意見を表明したか」という質問に連名誉主席は直接の返答を避け、「人類の安全はAPECの議題の一つであり、台湾がより参加の機会を拡大できるよう期待する」と答えた。
一方、胡主席は、「先ごろ海峡両岸関係協会(海協会)の陳雲林会長が訪台し、4項目の文書で調印を交わしたことは両岸関係の発展に新たな1ページを開いたと言える。この好機を生かし両岸同胞にとって実益がもたらせるよう希望する」と語った。
なお、記者会見で両代表は、互いを「(胡錦濤共産党)総書記」、「(連戦・国民党栄誉)主席」と呼び合うなど「国家代表同士の対話」ととられる言い回しを徹底的に回避した。