ニュース 公益 作成日:2024年10月8日_記事番号:T00117964
環境部は7日、2025年から炭素賦課金(カーボンプライシング)制度を導入し、企業の二酸化炭素(CO2)排出量に応じて徴収する「炭素費用(カーボン・フィー)」の料率の草案を発表した。当初の基本料率はCO2排出量1トン当たり300台湾元(約1380円)。企業が自主的な排出削減計画を提出し、国際間で最も厳しい業種別削減率を達成した場合は1トン当たり50元(優遇料率A)、製造工程で指定削減目標を達した場合は1トン当たり100元(優遇料率B)を適用する。年内に予告の上、来年から導入し、2026年から実際に炭素費用を徴収する。8日付経済日報などが報じた。
当初の炭素費用徴収の対象は、年間CO2排出量が2万5000トン以上の電力会社やガス会社、鉄鋼やセメント、化学材料、半導体など製造業など281社の工場500カ所。
うち年間CO2排出量1000万トン以上は、鉄鋼最大手、中国鋼鉄(CSC)と台塑集団(台湾プラスチックグループ)傘下の台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル、台塑化)の麦寮第1工場(雲林県麦寮郷)。500万トン以上で1000万トン未満は、CSC傘下の中龍鋼鉄(ドラゴン・スチール)と台塑化の麦寮第3工場。
年間排出量1000万トン以上で、自主的な排出削減計画を提出しない場合、2万5000トンが控除され、炭素費用は1年当たり29億元となる。優遇料率Aなら4億9000万元、優遇料率Bなら9億9000元となる。CSCは、コストが年間2億〜4億元増加すると試算した。
優遇料率Aを申請するには、一般の業種は30年の年間CO2排出量を21年(基準年)と比べ42%削減、鉄鋼業なら25.2%削減、セメント業は22.3%削減しなければならない。優遇料率Bは、平均23%削減する必要がある。
環境部は、来年5月の申告時は、優遇料率Bを選択する企業が多いと予想され、26年からの炭素費用収入は60億元が見込まれると説明した。
施文真・環境部政務次長は、炭素費用の料率は2年ごとに見直し、30年には1トン当たり1200〜1800元まで引き上げる予定と説明した。
環境部は、企業が提出した排出削減計画をみてから、炭素費用の調整を検討すると説明した(環境部リリースより)
産業界、台湾版CBAMを要望
経済部は7日、優遇料率Bは1トン当たり100元で、日本の1トン当たり64.7元などと比べて高く、一部の企業に影響が大きいと指摘した。
工業の経済団体、中華民国全国工業総会(工総、CNFI)は、電力料金や最低賃金が上昇する中、炭素費用の負担が大きすぎ、低炭素化の転換は困難だと指摘した。
また工総は、輸入品に炭素費用を課し、海外と域内製品の炭素価格の差を調整する炭素国境調整メカニズム(CBAM)を早く導入してほしいと主張した。
彭啓明・環境部長は7日、来年1月から鉄筋やセメントなどの輸入品に炭素排出量とカーボンフットプリント(CFP)の報告を求め、徐々に台湾版CBAMを整備すると説明した。
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