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台プラ、原子力発電参入を検討


ニュース 公益 作成日:2008年11月24日_記事番号:T00011800

台プラ、原子力発電参入を検討

 
 台塑集団(台湾プラスチックグループ)は、世界的な温室効果ガス削減の動きを受け、原子力発電事業へ参入に向けた検討作業に着手した。現在、民間企業による原子力発電参入は電業法で認められていないが、規制緩和の流れを見極めた上で、参入を判断する構えだ。24日付蘋果日報が伝えた。
 
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台プラ本社前で21日、二酸化炭素税の実施を求める環境保護団体の抗議デモが行われた。台プラは第6ナフサプラントの大気汚染排出量が総量規制を上回っているとされ、環境問題に取り組むべき企業とみられている(21日=中央社)
 
CO2の61%が発電所から
 
 同グループは原子力発電は技術的には問題ないとしており、立法委員に対し、事業への関心を複数回にわたって表明している。同グループ幹部は台湾で二酸化炭素(CO2)の61%が発電所から排出されている点を指摘し、「原子力発電の比率を高めれば、CO2の排出量を有効に減らすことができる」と語った。出力140万キロワット(kW)の原子力発電所の建設に必要な投資額は1,000億台湾元(約2,900億円)と見込んでいる。  同グループはこれまでも発電事業に強い関心を持っており、台湾で火力発電所4カ所、コンバインドサイクル発電所16カ所を運転中で、合計出力は520万kWに達する。このほか、米テキサス洲、ルイジアナ州で天然ガス火力発電所を稼働させているほか、創業者の故王永慶氏は個人的に中国福建省に華陽発電所を設けている。
 
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風力は不安定

 環境保護団体からは、「原子力発電ではなく、風力など環境に優しい風力などの代替エネルギーを推進すべきではないか」という批判も出ているが、台プラグループ関係者は、「台湾西部は風力発電に適していると考えられているが、電力ピーク時には無風、夜間のオフピーク時には強く風が吹くということがよくあり、電力供給の不安定は問題だ」としている。

 台湾での原子力発電参入に向けては、電業法の改正が課題となる。経済部能源局の王運銘報道官によると、改正電業法は立法院での審査待ちで、成立すれば「原子核エネルギー法」と環境アセスメントをクリアしさえすれば、民間業者も原子力発電所の設置申請が可能となる。
  
【表】