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タイヤル族の顔面入れ墨国宝・呉蘭妹さん、110歳の生涯閉じる


ニュース 社会 作成日:2008年11月25日_記事番号:T00011804

タイヤル族の顔面入れ墨国宝・呉蘭妹さん、110歳の生涯閉じる

 
 先住民族、タイヤル族で苗栗県泰安郷に住む呉蘭妹さんが21日、一世紀以上にわたる110歳の生涯を閉じた。呉さんはタイヤル族の伝統である顔面入れ墨を持つ、台湾の最高齢者だった。耳元から口元へかけた両頰に入れ墨をしたのは、13歳の時だった。

 生涯を泰安郷象鼻村の山奥で暮らし、6人の子供を産み育てた。晩年は娘や孫たちと5世代同居の生活で、主に山菜やお粥を食べ、アワ酒やタバコも好物だった。親しい村人は、呉さんに会いに行く時は必ず、酒とタバコを手土産に持参したそうだ。

 呉さんは100歳を超えてもボケず、かくしゃくとして元気だったが、06年4月から呼吸不全のため入退院を繰り返すようになり、今月4日から肺炎治療のために集中治療室に入っていた。肺炎に敗血症と呼吸不全を併発したため、延命治療を断念した家族が呉さんを退院させ、自宅で最期をみとったという。

 泰安郷では2年前に9人いた顔面入れ墨の国宝級人物は今では女性3人、男性1人の計4人だけになってしまった。いずれも80歳を超える高齢者だ。

 台湾の先住民で顔面入れ墨の風習があるのは、タイヤル族とサイシャット族のみといわれる。タイヤル族の女性は機織りなど家事ができることが入れ墨の条件で、美と成熟の証しだった。男女ともに入れ墨の痛みに耐えた者だけが成人として結婚することが認められたが、この風習は日本統治時代に野蛮だとして禁止された。現在、このタイヤル文化の生き証人は、台湾全土で10人にも満たないとされている。