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自動車・二輪車
作成日:2007年6月26日_記事番号:T00001182
中華汽車、中国事業が台湾上回る
26日付工商時報によると、裕隆集団傘下の中華汽車(三菱自動車系)は、中国事業である東南汽車の今年1~5月の販売台数が、初めて中華汽車の台湾での販売台数を上回った。通年ベースでは売上高も東南汽車が上回る見通しで、同社は中国事業により重点を置いていく考えだ。
中華汽車の1~5月の台湾内の販売台数は2万0,408台、輸出、メンテナンス部門も合わせた売上高は136億台湾元だった。一方、25%を出資し、福建省汽車工業集団、三菱自動車工業との合弁で展開している東南汽車の1~5月の販売台数は2万4,000台余り(昨年同期比50.2%増)、売上高は台湾元換算で100億1,900万元(昨年同期比80.6%増)だった。
黄文成中華汽車総経理によると、東南汽車は昨年三菱ブランドの高級セダン「グランダー」を発売して以来売上高が急増。下半期はクライスラーのタウン&カントリー、グランドキャラバンを導入し、9月には東南汽車ブランドで、2,400ccの商用車「デリカ」とディーゼル商用車「フリカ」を発売する予定。通年の販売台数は8万5,000台、売上高は400億元となって、台湾の「6万2,000台、350億元」を大きく上回ると予想している。「台湾は消費者の購買意欲が上向かず、今年の自動車市場は総販売台数33万台規模だろう。今後はメンテナンスや部品市場、および中国事業により経営の重点を移していく」と黄総経理は語る。
風神汽車、「リビナ」が人気
同じ裕隆集団の裕隆日産汽車は、中国事業の広州風神汽車(40%出資)、襄樊風神汽車(25%出資)の販売台数、売上高がすでに台湾を上回っている。
呉新発同社総経理によると、広州風神汽車が導入した日産の5ドアハッチバック車「リビナ」が、1カ月6,000台の受注を得る人気をなり、業績を押し上げている。広州風神汽車と風神襄樊汽車による、セダンとSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の1~5月の販売台数は10万3,000台(昨年同期8万2,000台)で、売上高は2億7,000万台湾元(昨年同期2億元以下)だった。通年販売台数は25万台以上と、昨年(20万3,000台)比で25%増を狙っている。
台湾メーカーは、ケーブル、プラスチック、紡織など、すでに多くの分野のメーカーが、中国で台湾以上の業績を上げて経営の重点を中国に移しており、中華汽車も同じケースといえる。規模の小さな台湾市場は今後大きな成長は望めないこと、中国市場のスケールメリットと成長力を考えれば、中国により経営の重点を置く企業は今後も確実に増えていきそうだ。