ニュース 電子 作成日:2024年10月30日_記事番号:T00118335
液晶パネル大手、群創光電(イノラックス)が29日発表した第3四半期(7〜9月)営業損益は、7億9000万台湾元(約38億円)の赤字だった。パネル価格が3カ月連続で下落する中、工場売却で、純損益は黒字を維持した。業績不振が続き、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)に工場をまた売却するとのうわさが絶えない。イノラックスは29日、現時点で工場売却の計画はないと説明した。30日付経済日報などが報じた。
第3四半期の連結売上高は前期比2.4%減少、前年同期比3.8%減少の554億7300万元だった。粗利益率は前期比1.0ポイント低下、前年同期比1.8ポイント低下し、9.0%だった。純利益は前期比62.7%減の4億2100万元で、2四半期連続で黒字だった。今年第1四半期(1~3月)まで8四半期連続の赤字で、1〜9月の純損失は25億5200万元となった。
第3四半期のパネル出荷面積は608万平方メートルで前期比9.3%縮小した。販売価格は1平方メートル当たり276米ドルに上昇した。
ディスプレイの売上高構成比は76%で、ディスプレイ以外が24%だった。製品別の構成比は、▽テレビ、35%、▽車載用、24%、▽ノートパソコン、23%、▽スマートフォン・商業用、13%、▽デスクトップ用モニター、5%──だった。サイズ別では、▽10インチ以下、13%、▽10〜20インチ、35%、▽20〜30インチ、14%、▽30〜40インチ、7%、▽40インチ以上、31%──。
イノラックスは、第4四半期(10〜12月)は非需要期で、中国政府の消費財の買い替え促進政策でテレビ需要を下支えし、テレビ用パネル価格は安定が見込めるが、情報技術(IT)製品用パネル需要は減速すると予想した。第4四半期の大型パネル出荷は前期比5〜9%減少、平均販売価格(ASP)は5%低下すると予想した。中小型パネル出荷は15〜19%増加すると予想した。
イノラックスは8月、TSMCに南部科学園区(南科、サイエンスパーク)の第4工場を売却すると発表した。最近のうわさでは、TSMCがイノラックスの南科第3工場か第5工場、第6工場、第7工場の購入を持ちかけ、南科第5工場の売却が決まり、価格交渉中とみられている。
■AUO、パネル依存脱却へ
同業の友達光電(AUO)は、第2四半期(4〜6月)まで9四半期連続の赤字だった。ディスプレイ売上高構成比は53%で、ディスプレイ以外は42%だった。第3四半期の業績は31日午後に発表する予定だ。
AUOも8月に、米メモリー大手、マイクロン・テクノロジーに、台南科技工業区のカラーフィルター(CF)工場3基と、子会社の中部科学園区(中科、中部サイエンスパーク)后里園区(后里パーク)の一部工場を売却すると発表した。
AUOの彭双浪(ポール・ポン)董事長はこれまで何度も、AUOは単なるパネルメーカーを脱却し、パネルを中心としたディスプレイのソリューション会社に転換すると説明している。▽スマートモビリティー、▽バーティカル(業界特化型)ソリューション、▽ディスプレイ──を3本柱に、27年にパネル以外の売上構成比を50%以上に引き上げる目標だ。
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