ニュース 電子 作成日:2024年11月27日_記事番号:T00118834
トランプ次期米大統領が25日、2025年1月20日の就任初日に、メキシコやカナダからの輸入品に25%の関税を課し、中国からの輸入品には10%の追加関税を課す方針を示した。電子機器受託製造サービス(EMS)最大手、鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー)や緯穎科技服務(Wiwynn)などはメキシコ工場で米国向けサーバーを生産しており、対応が迫られる。鴻海は26日夜、米テキサス州ヒューストンで工場と用地を3300万米ドルで購入すると発表した。27日付経済日報などが報じた。
■メキシコからの輸入最多
業界関係者によると、米国は昨年メキシコから輸入したサーバーが67.4%を占めた。台湾からのサーバー出荷額は20%増加したものの、米国に近いメキシコが最優先だ。
鴻海の劉揚偉・董事長は今年10月に、グラフィックスプロセッサー(GPU)大手、米エヌビディアのAI向けBlackwell(ブラックウェル)GPU(画像処理半導体)「GB200」搭載サーバーの世界最大規模の工場をメキシコに建設し、来年初めに稼働する計画を明かしていた。
鴻海は26日夜、ヒューストンで用地47万8000平方フィート(約1万3400坪)と工場20万平方フィートを取得すると発表した。鴻海はメキシコと米テキサス州、ウィスコンシン州でAI(人工知能)サーバーを生産しており、AIサーバーの生産を拡大するためとみられている。
電子機器受託生産大手、緯創資通(ウィストロン)傘下でAIサーバーやサーバーの受託生産を手掛ける緯穎科技は、北米向けのサーバーの70%をメキシコ工場で生産している。前工程のマザーボード製造から後工程のサーバーラック(筐体)組み立てまでを手掛けている。
英業達(インベンテック)は、メキシコ工場がサーバー生産能力の35%を占める。第4四半期(10~12月)に第3工場が稼働する予定だ。インベンテックは従来、中国での前工程の生産能力を引き下げ、サーバーのL6(レベル6、マザーボードの実装)生産ラインをメキシコ工場に移管する計画だった。
広達電脳(クアンタ・コンピューター)は11月中旬に、米国子会社に2億3000万米ドルを増資すると発表した。米国でのサーバー生産を拡大するためとみられている。
和碩聯合科技(ペガトロン)は業績説明会で、近年、米国インディアナ州のサービス拠点を組み立てラインに変更したり、協力メーカーに支援を求めたり、複数のシナリオに備えて、生産地の分散を進めていると説明した。
■PCの9割、中国生産
トランプ氏は中国からの輸入品に10%の追加関税を課す方針を表明した。米国に輸出しているパソコンブランド大手、華碩電脳(ASUS)や宏碁(エイサー)、技嘉科技(ギガバイト・テクノロジー)はコストが大幅に上昇する恐れがある。
ASUSは26日、コメントしていない。エイサーは26日、状況を注視するとコメントした。
ASUSは第3四半期(7~9月)の米州の売上高構成比が23%で、エイサーは25.6%だった。
市場調査機関ガートナーによると、第3四半期のPC出荷台数は6290万台で、米国が1700万台を占め、世界最大のPC市場だ。
市場調査会社の集邦科技(トレンドフォース)によると、中国でノートPCの89%が生産されている。東南アジアやメキシコに移管が一部進んでいるものの、エコシステム(ビジネスの生態系)構築には時間がかかる。
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