陳水扁前総統らのマネーロンダリング(資金洗浄)事件で、陳前総統夫人の呉淑珍被告(横領材などで起訴済)に対する2,000万台湾元(約5,700万円)の贈賄容疑で逮捕された、元大証券董事の杜麗萍容疑者(52歳)が、保釈後の29日、自家動車の中で排ガス自殺を図った。間もなく家族に発見され、一命は取り留めた。1日付蘋果日報などが報じた。
保釈直後の杜容疑者。復華金買収をめぐる、政治権力の介入の有無は明らかにされるのか
(28日=中央社)
ある検察官によると、杜容疑者は元大金融控股が中国信託金融控股との競争に勝って復華金融控股を買収を決めた際、重要な役割を果たしたという。自殺の動機についてこの検察官は、「捜査が自身に及んで、保身を選ぶか呉被告を裏切るかのストレスがプレッシャーになったのではないか」と指摘している。
30日付中国時報によると、杜容疑者は贈賄以外にも、2006年9月に呉被告の指示で国泰世華銀行に預けられていた現金7億4,000万元を引き出し、呉被告の兄の呉景茂被告と共に元大金融控股に運搬した疑いが持たれている。呉被告らはこの資金について第2次金融改革の際の政治献金だと主張しているが、検察側は汚職で得たもので既に海外に送金されたとみており、杜容疑者は資金洗浄に協力した可能性がある。
検察では今後、この資金の国庫への返還を求めることも検討するとしている。