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受動部品最大手のヤゲオ、芝浦電子を公開買付へ【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2025年2月6日_記事番号:T00119900

受動部品最大手のヤゲオ、芝浦電子を公開買付へ【図表】(トップニュース)/台湾

 受動部品最大手、国巨(ヤゲオ)は5日、サーミスタなど温度センサーを手掛ける芝浦電子(本社・埼玉県さいたま市、葛西晃・代表取締役社長)に、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。5月7日から6月17日までに1株4300円でTOBを実施し、全株式の取得を目指す。実現すれば、買収額は655億5900万円に上る。芝浦電子は5日、ヤゲオから事前連絡を受けておらず、情報を精査した上で検討し、見解を公表すると説明した。6日付経済日報などが報じた。

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 ヤゲオは現在、芝浦電子の株式を0.01%所有している。買付価格は1株4300円で、4日終値(3140円)に対する上乗せ幅(プレミアム)は36.9%。買付予定数の下限は50.01%で、第3四半期(7~9月)に買収を完了する予定だ。

 ヤゲオは、芝浦電子はNTCサーミスタの大手メーカーとして世界的に認識されており、買収により、製品ポートフォリオが拡大すると説明した。NTCサーミスタは、自動車、産業、電力・エネルギー、家電だけでなく、AI(人工知能)、データセンター分野でも、需要が安定的に増加すると予想されている。ヤゲオのセンサー事業の24年第3四半期(7~9月)売上高構成比は9%だった。電気自動車(EV)、ロボット分野も強化できるとみられている。

 ヤゲオは2024年10月以降、世界屈指のセンサメーカーを目指す関係性が築かれると考え、芝浦電子に対し、業務提携を模索するため、何度も面談を依頼したが、芝浦電子に拒否されていたと説明した。

■M&Aで拡大

 芝浦電子は1953年設立。サーミスタ、温度・湿度・風速センサーなどの製造販売を手掛け、24年3月期の売上高は324億円だった。

 ヤゲオは1977年設立。アジアや欧米など25カ国・地域に61の生産拠点と20の研究開発(R&D)センターがある。従業員は4万人以上。チップ抵抗器、タンタルコンデンサの世界首位で、積層セラミックチップコンデンサ(MLCC)、インダクタは世界3位。自動車、第5世代移動通信システム(5G)、モノのインターネット(IoT)、医療、グリーン電力などの分野で幅広く使用されている。24年の連結売上高は前年比13.1%増加の1216億6700万台湾元(約5640億円)だった。

 ヤゲオは近年、M&A(合併・買収)で規模を拡大している。20年に米国の同業、ケメットを買収した。23年には仏シュナイダーエレクトリックの産業用センサー事業部、テレメカニック・センサーズを買収したほか、独ヘレウスから白金温度センサーを手掛けるヘレウスネクセンソス事業部を買収した。

 

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