ニュース 商業・サービス 作成日:2025年2月14日_記事番号:T00120069
百貨店最大手、新光三越百貨の台中中港店(台中市西屯区)で13日午前11時半ごろ、改装工事中の12階のフードコートで爆発が発生し、窓ガラスや外壁が路上に飛び散り、店内の従業員2人と、店外の路上にいたマカオからの旅行者2人が死亡した。14日午前6時時点で、けが人は37人。台中市政府消防局は、改装工事中に作業員がガス管を切断したことが原因のガス爆発事故とみている。台中市政府は13日、新光三越の台中中港店に対し使用停止を命じ、1カ月以内の改善を求めた。14日付中国時報などが報じた。
新光三越の台中中港店。警察や検察が調査を続けている(13日=中央社)
調査によると、13日は11階と12階のテナントの照明工事の初日で、計35人が作業していた。テナントの入れ替えのため、天然ガス配管を移動させる必要があり、作業員が誤ってガスが残っている配管を切断した可能性がある。
台中市消防局の孫福佑・局長は、爆発があったのは12階で、作業員は爆発前にガスの臭いがしたと話しており、ガス漏れによる爆発の疑いがあると説明した。
ガス会社の欣中天然気は13日、改装工事のため10日に天然ガス管を封鎖したと説明した。13日の爆発後に消防と現場に出向き、レーザー式ガス検知器で検査したが、ガス漏れの反応はなかったと指摘した。現場に焼け跡もなく、爆発の原因は天然ガスではないとの見方を示した。
台湾台中地方検察署(地検)は13日夜、現場の作業員など16人に取り調べを行った。
■まるで廃墟に
爆発があったのは13日午前11時半ごろで、新光三越の台中中港店の11階の床が崩れ落ちたほか、多くのフロアの天井や外壁が破損し、エレベーターも変形した。水道管からは水が溢れ出し、まるで廃墟のようになった。爆発の振動は300メートル先にある台中市政府にいた盧秀燕・市長まで感じられるほどだった。
死者のうち2人は新光三越の台中中港店の11階、12階のフロアマネージャーの男女(34歳、24歳)だった。残り2人はマカオから訪れていた3世代家族7人の祖父母(56歳、58歳)で、1階入り口の外を歩いていた。けが人も含め、日本人の被害者は確認されていない。
■未申請で工事か
新光三越の呉昕陽・総経理は13日午後に現場に到着し、新光三越として支援を行い、責任を負うと述べた。病院を訪れ見舞い金を渡したほか、死者4人の遺族に対しそれぞれ100万台湾元(約470万円)を贈った。新光三越の呉・総経理は13日午後に現場に姿を現し、非常に驚き、遺憾なことで、調査に全面的に協力すると述べた(13日=中央社)
台中市政府は13日、新光三越百貨の台中中港店に対し、営業停止を命じたほか、フードコートの改装工事の申請がなかったため、建築法違反で最高30万元の罰金を科す方針だ。消防法や職業安全衛生法の違反を合わせると、最高120万元の罰金となる。
新光三越百貨の台中中港店は、2024年売上高が258億3000万元で、店舗別で14年連続の首位だった。隣接地に、遠東集団のショッピングセンター(SC)、台中大遠百(トップシティー)があるほか、近くに台中市政府、コンサートホールの台中国家歌劇院(ナショナル台中シアター)などがあり、台中市の中で賑やかなエリアの一つだ。店の前は、「台湾大道」と呼ばれる主要幹線道路、台12線が走り、人通りも車通りも多い。
新光三越は、新光グループと三越伊勢丹ホールディングスが合弁で運営している。
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