ニュース その他分野 作成日:2025年3月10日_記事番号:T00120472
財政部統計処が7日発表した2月の輸出総額は前月比6.7%増、前年同月比31.5%増の413億900万米ドルで、同月として初めて400億米ドルを超えた。AI(人工知能)やハイパフォーマンス・コンピューティング(高性能計算、HPC)需要が依然強いこと、トランプ米大統領の関税引き上げを見越して、米国向け出荷が前倒しされたことが主な要因だ。8日付工商時報などが報じた。
1~2月累計の輸出総額は、前年同期比16.8%増の800億2000万米ドルだった。春節(旧正月、2024年は2月10日、25年は1月29日)の閑散期にもかかわらず、堅調な状況が続いている。
■ICT製品、2月の過去最高
2月の主要製品別では、情報通信技術(ICT)製品やオーディオ・ビジュアル(AV)製品は前年同月比65.5%増の140億6700万米ドルで、同月で過去最高となった。コンピューターやその部品などの需要が続いた。
半導体など電子部品は前年同月比24.6%増の144億3700万米ドル。うち半導体は24.6%増の134億7700万米ドルだった。
ICT製品とAV製品、電子部品を合わせると、輸出総額の69.0%を占めた。
パネルなどの光学・精密機器は8億8100万米ドルで前年同月比14.7%増加した。
従来型産業は、▽ベースメタル(卑金属)、22億300万米ドル(前年同月比16.5%増加)、▽機械、16億9500万米ドル(14.0%増加)、▽鉱産物、15億米ドル(22.4%増加)、▽プラスチック・ゴム製品、14億4200万米ドル(6.8%増加)、▽化学品、13億7400万米ドル(5.7%増加)──などだった。
■米国向け、中国を上回る
主要輸出先別では、米国は前年同月比65.6%増の117億7300万米ドルとなり、中国(香港含む)の27.9%増の117億1900万米ドルを上回った。
東南アジア諸国連合(ASEAN)は前年同月比17.3%増の76億9800万米ドル。日本は19.2%増の21億1200万米ドルだった。
一方、欧州は26億2400万米ドルで、前年同月比4.9%減少した。
メキシコは939万米ドルで、前年同月の2.3倍だった。メキシコにサプライチェーン(供給網)が移転しており、トランプ政権の関税引き上げを見据えて、出荷が前倒しされた。
1~2月の累計でみると、米国が前年同期比30.5%増の202億2800万米ドル、ASEANが19.4%増の159億8300万米ドルで、いずれも同期として過去最高だった。
メキシコは36億4200万米ドルで前年同期の4倍以上となった。
■トランプ政権の影響は制御可能
財政部統計処の蔡美娜・処長によると、3月の輸出総額は414億~426億米ドルと推計され、昨年3月の輸出総額が高かったため、前年同月比で1%減から2%増にとどまる見通し。第1四半期(1~3月)の輸出総額は1214億~1226億米ドル、前年同期比10~11.2%増となる見込みで、過去最高を更新する可能性が高い。
蔡・処長は、トランプ大統領が関税を段階的に引き上げる可能性があるが、各国の対応によって影響は抑制されるとの見解を示した。
行政院主計総処は25年の輸出総額の予測を7.1%増に1.1ポイント引き上げ、第1四半期は10.2%増と予測した。
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