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与党に抗議の集会に25万人、頼・総統の罷免提案へ【図表】(トップニュース)


ニュース 政治 作成日:2025年4月28日_記事番号:T00121362

与党に抗議の集会に25万人、頼・総統の罷免提案へ【図表】(トップニュース)

 少数与党・民進党と最大野党・国民党の対立で、立法委員(国会議員)に対する大規模な罷免(リコール、解職請求)運動が繰り広げられる中、国民党は26日、署名偽造の疑いで検察当局の捜査を受けたことに抗議して、総統府前の凱達格蘭(ケタガラン)大道で集会を開き、25万人以上(主催者発表)が集まった。朱立倫・国民党主席は、「頼清徳・総統は司法を使って野党を消滅させようとしている」と批判し、総統就任1年を迎える5月20日以降、立法院で頼・総統の罷免を提案すると宣言した。これに対し、民進党側は、総統の罷免に失敗すれば、朱・主席の責任が問われるとけん制した。中央社電などが伝えた。

/date/2025/04/28/00zhulilun_2.jpg国民党の朱・主席は集会で、反中共(中国共産党に反対)、反緑共(民進党の独裁にも反対)を叫んだ(26日=中央社)

 国民党の集会には、韓国瑜・立法院長(国会議長)、蒋万安・台北市長をはじめ、国民党籍の県市長らも顔をそろえた。各地から集まった国民党支持者らは、時折激しい雨の降る中、「戦独裁(独裁と戦おう)」の旗を掲げ、「頼清徳下台(頼総統は退陣せよ)」とシュプレヒコールを叫んだ。

 また、柯文哲・前主席が貪汚治罪条例(腐敗防止法)の収賄などの罪で起訴された第2野党、台湾民衆党の黄国昌・主席も合流。民進党の圧力には動じず、台湾の民主主義を守るため、頼政権の独裁に対抗すると述べ、頼・総統の罷免を提案する国民党に同調する姿勢を示した。

/date/2025/04/28/00guomindang2_2.jpg国民党の集会に集まった支持者らは「反緑共(民進党反対)、戦独裁(独裁に戦おう)」のプラカードを掲げた(26日=中央社)

 これに対し、頼・総統は26日午後、基隆市で報道陣の取材に応じ、「国民党と民衆党が街頭デモができるのは、台湾が民主主義国家だという証明だ。『独裁と戦う』と言うのなら、北京の天安門に行くべきだ」と批判した。

■総統罷免の可能性、実質困難

 2024年の立法委員(定数113)選挙で、民進党は51議席しか獲得できず少数与党となり、野党側は国民党の52議席、民衆党の8議席、国民党系の無所属2議席を合わせると過半を占めている。総統副総統選挙罷免法によると、総統の罷免は立法委員の4分の1(29人)で提案できるが、成立には3分の2(76人)以上が必要で、野党側の現勢力では難しいのが実情だ。

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 一方、立法委員の罷免手続きは、国民党と無所属の立法委員35人、民進党の立法委員15人について、第1段階の提案を通過し、署名集めが進められている。28日付自由時報によると、国民党の20人については選挙区の有権者の10%を超える署名が集まり、さらに5人も基準を超える可能性がある。この第2段階を通過すれば、第3段階の罷免案の投票が行われ、賛成票が反対票を上回り、かつ有権者の25%以上なら罷免が成立する。

/date/2025/04/28/00guomindang1_2.jpg国民党の集会に集まった支持者らは、総統府前のケタガラン大道から景福門のロータリーまで埋め尽くした(26日=中央社)

 立法委員罷免の動きに、頼・総統の罷免提案が加わり、立法院での与野党対立はさらに激しくなり、罷免案の投票とその後の補欠選挙で市民の政治的分断が進む恐れがある。

 

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