ニュース 金融 作成日:2025年5月6日_記事番号:T00121492
5日の台北外国為替市場の台湾元相場終値は、1米ドル=30.145元で、2023年2月11日以来の最高値となった。前営業日比0.919元(3.05%)の元高ドル安で、2日に次ぐ過去2番目に大きい上昇幅だった。2日連続の急騰で、輸出を中心とする電子や機械業界は為替損失に悲鳴が上がった。中央銀行(中銀)の楊金龍・総裁は5日午後に緊急記者会見を開き、台湾元の上昇を見越した米ドル売りが過熱しているため、通常以上の為替介入を実施しており、この異常な状態をここで止めると説明した。6日付経済日報などが報じた。
楊・総裁は5日、為替市場の安定を損ない、実体経済に悪影響を及ぼすような、根拠のない推測を控えるよう呼び掛けた(5日=中央社)
銀行関係者は、1米ドル=28~29元まで元高ドル安が進行する可能性があると予想した。
5日は一時、1米ドル=29.59元まで元高ドル安が進行した。台湾元は6営業日連続で上昇し、上昇幅は累計2.384元(7.9%)に上った。
台湾元の急騰を受け、中銀は5日午後、緊急記者会見を開いた。楊・総裁は、近ごろ米国の関税政策の影響で、外国人投資家の台湾株買いが強まっているほか、輸出企業が台湾元の上昇を見越し、米ドルの売り圧力を強めていると説明した。
米国との関税協議で米国側が台湾元の切り上げを要求したとの観測が浮上していることについて楊・総裁は、米国が台湾元の切り上げを要求したことはないと説明した。
楊・総裁は、為替介入を従来より強めており、今後も状況に応じ、臨機応変に対応すると説明した。企業に対し、非合理的な予想に基づいて、外貨を売却しないように注意を呼び掛けた。
■頼総統も異例の声明
頼清徳・総統は5日、台湾元の急騰を受けてビデオ談話を発表し、米台の関税交渉で為替は議題になってないと説明した。米国の対台湾の貿易赤字は、為替とは無関係で、AI(人工知能)や半導体、情報通信技術(ICT)関連などの電子製品を米国が輸入しているためだと説明した。
台湾政府の代表団は米国時間1日、米国政府と相互関税について初の対面協議を行った。
■機械業界、受注見合わせ
機械業界団体、台湾機械工業同業公会(TAMI)の荘大立・理事長は、台湾元の急騰が続くと、機械業界は倒産ラッシュに陥る恐れがあると語った。機械業界では、受注を一時見合わせている。
受動部品業界では、一部のメーカーが顧客と価格を再交渉することを検討している。
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