ニュース 電子 作成日:2025年5月27日_記事番号:T00121915
旭化成が半導体の先進パッケージング(封止)材料、感光性ポリイミド(PSPI)の生産が市場の需要に追いつかないとして、一部の顧客に対し供給を停止すると通知した。旭化成は感光性ポリイミドの世界上位のサプライヤーだ。AI(人工知能)半導体の封止受注に影響し、AI産業発展にも影響する恐れがある。27日付経済日報が報じた。
旭化成の広報部は27日、ワイズニュースの取材に対し、感光性ポリイミドの供給停止を通知したことを認めた上で、特定の顧客については言及していないと説明した。
業界関係者によると、旭化成が供給を停止するのは、感光性絶縁材料「PIMEL(パイメル)」。AI産業の急発展に伴いコンピューティング需要が急増し、半導体の先進封止の需要も急増、封止材料の感光性ポリイミド需要も高まり、旭化成の生産能力が追いつかないという。
業界関係者は、旭化成の感光性ポリイミドは、半導体封止で重要な材料で、主要な半導体メーカーに広く採用されていると説明した。ウエハーレベルパッケージング(WLP)工程など、主に半導体素子の表面保護膜、バンプ用のパッシベーション層、再配線(RDL)の絶縁層などに使われている。
半導体の封止材料向けでは、旭化成とHDマイクロシステムズ(米デュポンと旧・日立化成工業、現・レゾナックの合弁会社)が2大サプライヤーとされる。
■TSMCは影響薄か
AIブームが続く中、グラフィックスプロセッサー(GPU)大手、米エヌビディアのAI半導体が爆発的に売れており、特にファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の先進封止、チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)に強く依存している。
先進封止には、韓国のサムスン電子、米国のインテル、半導体封止・検査(テスティング)最大手の日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)、群創光電(イノラックス)も参入している。
旭化成の感光性ポリイミド供給停止報道に対し、TSMCやASEHはコメントしていない。
業界関係者は、TSMCは旭化成から優先的に供給を受ける可能性が高く、影響は限定的とみている。
ASEHは、年内にCoWoS月産能力を1万枚まで拡大し、2025年の関連売上高を10億米ドル超へ倍増させることを目指している。旭化成からの感光性ポリイミド供給が滞れば、計画に狂いが生じる可能性がある。
【セミナー情報です】
2025年最新・ 日系企業給与調査セミナーを6月26日(木)に開催します。数字と文化で読み解く台湾企業の給与事情、独自調査で見える給与・昇給トレンドを紹介します。受講受付中です。
検索は「ワイズ、25年給与」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/121576.html
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722