ニュース 電子 作成日:2025年6月2日_記事番号:T00122000
グラフィックスプロセッサー(GPU)大手、米エヌビディアのジェンスン・フアン(黄仁勲)最高経営責任者(CEO)は28日の決算電話会議で、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が米国アリゾナ工場で、エヌビディア向けのAI(人工知能)半導体を認証段階で、年末に量産を開始する予定だと説明した。TSMCのアリゾナ工場はエヌビディアのほか、アップル、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、クアルコム、ブロードコムからも受注しているとされる。2日付経済日報などが報じた。
業界関係者は、トランプ政権が推進する製造業の米国回帰で、TSMCの米国工場の拡張が加速すると分析した。
アップルは、TSMCのアリゾナ工場で今年、先進半導体を数千万個生産する計画で、最大の顧客だ。
AMDは今年4月、サーバー向け第5世代中央演算処理装置(CPU)「EPYC」を、TSMCのアリゾナ工場で生産を開始したと発表していた。
TSMCのアリゾナ工場第1工場(Fab21 P1)は2024年第4四半期(10~12月)で4ナノメートル製造プロセスで生産を開始した。第2工場(P2)は建設が完了した。3ナノを採用する。第3工場は今年5月に着工式典を開催した。2ナノ、A16(1.6ナノに相当)を採用し、28年に量産を開始する見込みだ。
サプライチェーン関係者によると、TSMCの2ナノの受託生産価格は1枚当たり3万米ドルで、A16などオングストローム(Å、0.1ナノメートルを示す単位)単位の製造プロセスは4万5000米ドルに上るとされる。
■UAEに製造工場か
ブルームバーグが情報筋の話を基に31日に伝えた報道によると、TSMCはアラブ首長国連邦(UAE)に、先進半導体の製造工場を設置することを検討している。既にトランプ政権関係者と可能性について協議したようだ。
TSMCは同日、市場のうわさにはコメントせず、現時点の工場計画に専念すると説明した。
ブルームバーグによると、TSMCはUAEで、米国アリゾナ工場と類似する製造工場6基から成る「ギガファブ」の建設を検討している。投資額やスケジュールは未定で、数年後にも着工する可能性がある。
UAE工場の設立は、米国政府の協力を受けられるかが重要になる。トランプ政権の高官は、中東地域でのTSMCの工場設置は、米国の国家安全保障と経済に影響すると懸念しているようだ。
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