ニュース 電子 作成日:2025年6月9日_記事番号:T00122138
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)の嘉義園区(嘉義県太保市)で建設中の先進パッケージング(封止、アドバンスドパッケージング)工場の設備搬入時期を第4四半期(10~12月)に、従来の第3四半期(7~9月)から延期することをサプライヤー各社に通知したようだ。嘉義工場の工事現場で最近、事故が2件発生し、建設を停止している。一方、TSMCは、自動車市場の低迷などで、熊本第2工場、ドイツ工場の建設計画を延期とする方針とされる。9日付経済日報などが報じた。
嘉義工場の進捗について、TSMCはコメントしなかった。
業界では、ハイパフォーマンス・コンピューティング(高性能計算、HPC)向け半導体の供給に影響が出ると懸念されている。
TSMCは現在、嘉義県で先進封止工場2基を建設している。業界では、TSMCの嘉義工場は、先進封止技術のWMCM(ウエハーレベル・マルチチップ・モジュール)を採用し、アップルの半導体に使用されるとみられている。
TSMCの3日の株主総会の会場前では、工事現場の被害者の家族が、被害者への支援と工事現場の安全対策の徹底を求めた(3日=中央社)
TSMCの嘉義工場の建設現場で最近、事故が2件発生した。作業員1人は足場から転落して重傷、クレーン誘導員1人は2トンの分電盤が衝突して死亡した。労働部職業安全署の南区職業安全衛生中心は、事故があった工事現場はそれぞれ異なる請負業者で、いずれも工事を停止していると説明した。改善計画を提出し、審査を通過すれば工事を再開できる。
■熊本工場とドイツ工場も延期か
TSMCの魏哲家(シーシー・ウェイ)董事長は3日の株主総会で、熊本第2工場の着工遅延の原因は、第1工場の量産開始後、周辺道路の交通渋滞がひどいためと説明した。第1四半期(1~3月)の着工予定だったが、年内の着工に延期した。
消息筋によると、魏・董事長が説明した翌日、TSMCの工場建設を担当するチームは、当面は米国アリゾナ工場の建設を優先し、熊本第2工場、ドイツのドレスデン工場は延期するように指示を受けたようだ。
サプライチェーン関係者は、自動車市場の低迷と、米国の関税政策の影響で、顧客が発注に慎重になっているため、TSMCが熊本工場やドイツ工場の建設計画を修正したとみている。
サプライチェーン関係者は、熊本第1工場はソニーなど車載用半導体の顧客が発注に慎重で、年初から稼働率の上昇が鈍いと指摘した。
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