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陳水扁前総統保釈、1カ月ぶりに自宅に


ニュース 政治 作成日:2008年12月15日_記事番号:T00012260

陳水扁前総統保釈、1カ月ぶりに自宅に

 
 マネーロンダリング(資金洗浄)などの罪で起訴された陳水扁前総統が13日未明に保釈された。
 
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保釈を受けた陳前総統。再び支持を求める活動を繰り広げるという観測もあり、民進党にとってはまさに頭痛の種だ(13日=中央社)

 最高検察署特別偵査組(特捜部)は12日、陳前総統ら14人を起訴し、検察側は陳前総統の拘置継続を求めたが、弁護側との4時間にわたる応酬の末、台北地裁は逃亡の恐れがないなどとして、出境禁止などの制限付きで保釈を決定した。陳前総統は11月12日の逮捕から約1カ月ぶりに自宅に戻った。13日付台湾各紙が報じた。

 起訴されたのは、陳前総統と妻の呉淑珍氏、長男の陳致中氏夫妻、呉氏の実兄の呉景茂氏夫妻ら14人で、検察側は収賄や資金洗浄などによる不法所得が7億9,000万台湾元(約21億6,200万円)余りに及ぶとした。

 主な起訴事実は、▽家族ぐるみによる海外口座を使った資金洗浄▽総統府国務機密費の不正流用▽龍潭園区(桃園県)の用地取得土地売買をめぐる収賄▽南港展覧館建設工事入札情報での収賄──の4項目。起訴状は陳前総統に対する具体的求刑を示さなかったが、「最も厳しい制裁」を求めた。台湾で総統経験者が起訴されるのは初めて。

 陳前総統は保釈後、「裁判官の決定に最大限の感謝を表明する。(出廷拒否は認めないという)裁判官の言い付けは心に銘じた。拘置所での孤独な32日間に寄せられた民進党関係者や支持者の声援、弁護士の弁護に感謝する」と感想を述べた。弁護団は「陳前総統が受け取ったのはすべて政治献金であり、法廷で潔白を証明したい」として、全面的に争う姿勢を見せている。

 陳前総統は2000年の民進党による政権交代から2期8年にわたり総統を務め、当初は清潔なイメージで国民党の金権政治を批判し、有権者の支持を集めた。しかし、任期後半には国務機密費の不正流用をはじめさまざまなスキャンダルが噴出し、世間の激しい批判にさらされながら、国民党に政権を譲った。

 民進党は最近、陳前総統と距離を置き党勢回復をもくろむ動きもあるが、腐敗によって瓦解した陳水扁政権に対する世間の風当たりは強く、同党に対する有権者の信頼回復は容易ではない。