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TSMCが25年3割増収見通し、AI需要が押し上げ(トップニュース)


ニュース 電子 作成日:2025年7月18日_記事番号:T00122958

TSMCが25年3割増収見通し、AI需要が押し上げ(トップニュース)

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家(シーシー・ウェイ)董事長は17日の業績説明会で、人工知能(AI)需要が力強く、米国の関税政策の影響を考慮しても、2025年の米ドル建て売上高は前年比30%増える見通しだと、従来の24~26%増から上方修正した。全世界でAIデータセンター建設ラッシュで、半導体需要が急増しており、「これほど強い需要は見たことがない」と語った。TSMCの3ナノメートル生産能力は非常に逼迫(ひっぱく)しており、今後2年はAI半導体向けに3ナノを大量に採用すると述べた。18日付経済日報などが報じた。

/date/2025/07/18/00tsmc1_2.jpgTSMCの魏・董事長は、ヒューマノイド(ヒト型ロボット)市場は将来、電気自動車(EV)市場の10倍になると、顧客と予想していると語った(17日=中央社)

 米国の関税政策や半導体の中国向け輸出規制にかかわらず、魏・董事長は、AI関連の顧客の発注に変化はみられないと語った。

 グラフィックスプロセッサー(GPU)大手の米エヌビディアが14日、米国政府の規制撤回を受け、中国向けに設計したAI半導体「H20」の出荷を再開したことについて魏・董事長は、顧客とTSMCの双方にとって好材料だと述べた。

 魏・董事長は、現在は3ナノや5ナノのほか、今後量産予定の2ナノ、A16(Aはオングストローム、1.6ナノに相当)需要が非常に強く、半導体はオングストローム時代に突入すると語った。28年にはA14(1.4ナノに相当)の量産を開始する予定だ。 

■米国アリゾナ工場、構成比3割へ

 魏・董事長は、全世界で増産を急いでおり、米国アリゾナ工場の2ナノ以降の先進プロセス生産能力は、同社全体の30%を占める見通しだと語った。

 アリゾナ工場は、第1工場(4ナノ)は24年末に量産を開始し、歩留まり(良品率)は台湾工場と同水準だと説明した。第2工場(3ナノ)は既に完成し、顧客の需要が高いため、量産を数四半期早めたいと説明した。第3工場(2ナノ、A16)も着工しており、建設を急いでいると述べた。

 アリゾナ州では、製造工場6基、先進パッケージング(封止)工場2基、研究開発(R&D)センター1基を設ける予定だ。

■熊本第2工場、整地作業開始

 魏・董事長は、熊本第2工場の整地作業を開始しており、今年後半に着工する予定と述べた。車載用半導体やCMOSイメージセンサー(CIS)を生産する。中国企業との競争激化で、需要の明らかな回復はみられず、顧客の発注状況に応じて進捗を調整すると説明した。

 

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