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TSMCの1.4ナノ中科工場、年内着工へ【図表】(トップニュース)


ニュース 電子 作成日:2025年7月21日_記事番号:T00122985

TSMCの1.4ナノ中科工場、年内着工へ【図表】(トップニュース)

 中部科学園区(中科、中部サイエンスパーク)管理局は18日、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)に中科第2期拡張区画の用地を6月2日に引き渡しており、早ければ年末に着工する予定だと説明した。サプライヤーによると、TSMCは1.4ナノメートル製造プロセスを採用する工場4基を建設する予定で、うち2基はA10(1ナノ相当)を採用する可能性もある。当初の生産能力は5万枚の予定で、2027年にリスク生産、28年下半期(7~12月)に量産に入る予定だ。19日付経済日報などが報じた。

/date/2025/07/21/00tsmc_2.jpg中科管理局の許・局長は18日、中科22周年記念式典で、TSMCの中科工場拡張の年内着工を明らかにした(18日=中央社)

 中科管理局の許茂新・局長は、公共インフラ工事を16日に開始しており、TSMCのほかに、5ヘクタールの用地に、半導体設備やIC設計などの7~8社が入居する予定で、来年明らかになると語った。第2期拡張で、年産額4857億台湾元(約2兆4500億円)、雇用4500人の創出を見込む。

 TSMCは今年4月に米国で開催した技術フォーラムで、中科の新工場を「Fab25」と命名した。業界では、1.4ナノを採用する工場4基、または1.4ナノとA10(1ナノ相当)をそれぞれ2基建設するとみられている。市場では、エヌビディアが研究開発(R&D)センターや調達センターを設置するとの見方もある。

 市場のうわさに対しTSMCは、ノーコメントだ。

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 TSMCは当初、2ナノ工場2基を24年に稼働する予定だったが、中科第2期拡張計画の予定地にあった台中高爾夫球場(台中ゴルフ&カントリークラブ)からの用地取得や、会員の抗議などで開発計画が遅れた。

■2ナノ増産

 サプライヤーによると、TSMCの2ナノ工場は現在、新竹科学園区(竹科、新竹サイエンスパーク)宝山工場(Fab20)2基と、南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)楠梓園区(高雄市楠梓区)の高雄工場(Fab22)の5基。

 2ナノ月産能力は、来年は10万枚、27年には16万~18万枚、その後20万枚まで引き上げる可能性がある。大部分は高雄工場(Fab22)で、2ナノ工場は8基となる。

 業界では、2ナノの顧客は、▽アップル、▽アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、▽インテル、▽クアルコム、▽エヌビディア、▽聯発科技(メディアテック)──などとみられている。

 市場の試算によると、TSMCの7ナノ以降の月産能力は16万枚、5ナノが16万枚をやや上回り、3ナノは13万枚で、最大16万枚に引き上げられる。今後、2ナノ月産能力が17万~20万枚まで拡大すれば、TSMCの先進プロセスの中で最大の収益源になる。

■嘉義工場の建設現場、また事故

 TSMCは、嘉義県で先進パッケージング(封止)工場2基を建設している。建設現場で今月16日、空調配管を高所で設置中、配管が誤って落下し、下で作業していた女性作業員の頭部に直撃し、18日に死亡した。労働部職業安全衛生署(職安署)南区中心は、機電設備の設置工事停止を命じた。安全対策を確認するまで再開できない。

 TSMC嘉義工場の建設現場は、今年5月以降、事故が4回発生し、2人が死亡、2人が負傷した。20日にも鋼材を積載したトレーラーが横転する事故が発生したが、けが人はいなかった。

 労働者不足が続く中、TSMCは今年下半期に、巡回や災害対応の無人機(ドローン)の入札を行い、米国アリゾナ州の工場に導入する予定だ。

 

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