年の瀬も押し迫り、今年も残すところあとわずか。「2008年の台湾を代表する漢字は?」と聞かれたら、あなたなら何と答えるだろうか?このほど世相を表す漢字を選ぶ「台湾2008代表字大選」が行われ、その結果が16日に発表された。選ばれたのは「乱(らん)」──。
台湾初となるこの漢字投票は、台北市政府文化局、聯合報、遠東集団の徐元智先生紀念基金会による合同主催。各界の著名人が選んだ今年の世相を表す漢字72字を対象に、6万1,624通の電話による投票が行われた。
1位の「乱」は7,936票を獲得。政権交代や世界的な金融危機のほか、▽有害物質メラミン含有粉ミルク事件▽陳水扁前総統一家の汚職事件──などさまざまな出来事が起き、秩序というものがなくなった、最も乱れた1年だった、というのが主な理由だ。
2位は得票数5,793票の「騙(へん)」で、偶然にも馬英九総統の「馬」と陳水扁前総統の「扁」の字の組み合わせ。まさに今年の政治情勢を反映しているようだ。3位は「惨(さん)」で4,404票だった。
日本の「今年の漢字」に選ばれた「変(へん)」は、台湾では8位にランクイン。この字を選んだ著名人の1人、劉兆玄行政院長は「域内外の変化という挑戦に対し、政府は台湾を徐々に良い方向に変えていくだろう」と述べている。一方、同じくこの字を選んだ野党民進党の蔡英文党主席は、「政権交代後もまだ変化の途中にあるといえ、将来は不確定要素だらけ。人々は政府に対する信頼感が持てない」と対照的なコメントだ。
投票結果を見ると、1~9位はすべてマイナスイメージの漢字で、ご時世をありのままに物語っているようだ。10位にかろうじて「愛」がランクインしているものの、11位以下も「痛(つう)」「驚(きょう)」「茫(ぼう)」「慌(こう)」と、希望の感じられない漢字が並んだ。さて、来年09年はどんな漢字が出てくることやら。