ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

南部豪雨で5人死亡・78人負傷、特別条例の適用拡大へ(トップニュース)


ニュース 社会 作成日:2025年8月4日_記事番号:T00123256

南部豪雨で5人死亡・78人負傷、特別条例の適用拡大へ(トップニュース)

 7月28日から中南部を中心に豪雨が続き、停電や道路の寸断、浸水や冠水、土砂崩れなどの被害が拡大している。土砂崩れなどで、4日午後2時時点で、死亡5人、負傷78人、行方不明3人が報告された。高雄市茂林区の山間部の累計雨量は2785.5ミリ(4日午前8時時点)で、台湾の年間平均降水量の2500ミリを超えた。卓栄泰・行政院長は3日、7月上旬に上陸した台風4号(アジア名・ダナス)による災害復興再建特別条例の草案を7日の閣議で承認する予定で、今回の中南部豪雨による災害も対象に含めることを明らかにした。4日付聯合報などが報じた。

/date/2025/08/04/00takao_2.jpg陳其邁・高雄市長(前左)は3日、激しい雨が降った六亀区の被災地を視察した(3日=中央社)

■降水量、09年の台風に匹敵 

 高雄市山間部での累計雨量は、2009年8月に台湾に上陸し死者680人以上を出した台風8号(アジア名・モーラコット)で、嘉義県の阿里山で記録した3060ミリに迫っている。浸水被害は673件で、特に台南市の261件、嘉義県の171件が深刻だ。停電は延べ5万戸以上で、300戸余りがまだ復旧していない。道路やトンネルの被害は162件、土石崩落は138件に上った。

 高雄市や屏東県の山間部では土石流などで、多くの住民が孤立した。高雄市で避難した住民は合計3100人を超えた。

 高雄市桃源区の山間部では、降り続く雨で道路の復旧が難航している。山中に取り残された高忠徳・市議(無所属)は、北三里に唯一あるコンビニエンスストアの商品は空っぽだと語った。桃源区衛生所の邱孟肇・主任は2日、原住民ブヌン族の若者らとともに薬を3箱背負い雨の中、山を越え、孤立した地区に入った。通常30分の道のりが2時間以上かかり、診療を待っていた住民は感激したという。

 衛生福利部(衛福部)は、孤立した地域に初めてドローン(無人機)で医薬品を配送する。ドローン3~5台が利用可能で、各県市政府の申請待ちだ。

 雲林県斗南鎮では、古い家屋が倒壊し、61歳の女性が柱の下敷きになった。救出されたが、複数骨折していた。台南市柳営区では民家の基礎がえぐられ、乗用車2台や小型トラック1台、バイク1台が斜面に転落した。

/date/2025/08/04/00tainan_2.jpg台南市柳営区で民家の基礎がえぐられた。住民は、土砂が崩れ、ビル10階分ぐらいの深さで、怖くて寝られず、家族8人で避難したと語った(3日=中央社)

 7月上旬の台風4号で、雲林県、嘉義県、台南市は家屋1万戸以上が被害を受けたが、深刻な人手不足、資材不足で、修繕が進んでいない。仮設の防水シートすら張られていない家もある。

 中央政府と地方政府は業者100社以上を動員して住宅の修繕に当たっている。ある台中市の内装業者は、政府の対応が遅すぎると業を煮やし、自ら人手を集めて南部に赴き、住宅修繕を支援している。

 台風4号で、南部の通信インフラ設備も被害を受けた。通信キャリア最大手、中華電信によると、7月末時点で、固定電話2141世帯、ブロードバンド764世帯、映像配信サービスのマルチメディア・オン・デマンド(MOD)は33世帯が利用できない状態だ。中華電信の簡志誠・董事長は4日、固定電話とブロードバンド、MODは5日までに復旧する予定と語った。移動基地局33カ所は10月末までに復旧する計画だ。

 交通部中央気象署(CWA)の予報によると、大雨はあす5日まで続く見通し。嘉義県、台南市、高雄市、屏東県、南投県の各県市政府は4日、一部の地域や学校で公共機関・学校を休みにする「停班停課」の措置を取った。

 

【セミナー情報です】
日本人向けワイズ経営塾、台湾新任編で、経営の基礎と、台湾のビジネス環境を学びませんか?経営者が知っておくべき法律や在台日系企業の給与事情もご紹介します。9月16日開講。
検索は「ワイズ経営塾、9月16日」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/117830.html