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TSMC、米国アリゾナ工場拡張へ【図表】(トップニュース)


ニュース 電子 作成日:2025年10月17日_記事番号:T00124722

TSMC、米国アリゾナ工場拡張へ【図表】(トップニュース)

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家(シーシー・ウェイ)董事長は16日の業績説明会で、AI(人工知能)需要が力強いため、米国アリゾナ州の工場周辺で用地を取得し、生産能力を増強する計画だと表明した。アリゾナ工場(Fab21)はギガファブ(巨大工場)として、スマートフォンやAI、ハイパフォーマンス・コンピューティング(高性能計算、HPC)向け需要に対応すると説明した。17日付経済日報などが報じた。

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 TSMCは、アリゾナ州に半導体製造工場6基、先進パッケージング(封止)工場2基、研究開発(R&D)センター1基を設ける計画だ。第1工場(Fab21 P1)は2024年末に4ナノで量産を開始した。第2工場(3ナノ)は完成し、第3工場(2ナノ、A16=1.6ナノ相当)は既に着工した。

 魏・董事長は、アリゾナ工場で2ナノと2ナノ以降の先進製造プロセスの導入を急ぐと説明した。第2工場に2ナノを採用する可能性がある。

 米国での先進封止について魏・董事長は、あるパッケージング・テスティング(検査、OSAT)専業の大手と提携しており、相手企業はアリゾナ州で既に工場を着工したと説明した。

 市場では、米アムコー・テクノロジーを指しているとみられている。アムコーは、10月6日にアリゾナ州で先進封止工場を着工した。27年に完成、28年初めに量産を開始する予定だ。投資額は70億米ドル。

 TSMCは米国先進封止工場の進捗について公表していない。ある工場設備業者によると、近く計画が完成する見込みで、早ければ来年年央にも発表される見通しだ。AI半導体向けに、SoIC(システム・オン・インテグレーテッド・チップス)が主力になると推測されている。

■熊本第2工場を着工

 魏・董事長は、熊本第2工場の建設工事が始まったと述べた。量産スケジュールは顧客の需要と市況に応じて決定する。日本政府や地方自治体の協力に謝意を示した。

 ドイツのドレスデンで建設している工場については、進捗(しんちょく)は順調だと説明した。

■2ナノ、年内に量産へ

 魏・董事長は、2ナノは第4四半期(10~12月)後半に量産を開始する予定だと説明した。スマホやAI、HPC向けに、来年から生産量を拡大する。生産拠点は▽新竹科学園区(竹科、新竹サイエンスパーク)宝山工場(Fab20)、▽南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)楠梓園区(高雄市楠梓区)の高雄工場(Fab22)──。2ナノ強化版のN2PとA16は26年下半期(7~12月)に量産を開始する予定だ。

 先進封止について魏・董事長は、前工程、後工程とも生産能力が逼迫(ひっぱく)しており、来年も生産能力を拡大する計画だと説明した。詳細は来年第1四半期(1~3月)の業績説明会で発表する予定だ。

■AI以外も回復へ

 魏・董事長は、AI需要は3カ月ごとに倍増しており、25年通年は力強い需要が続くと説明した。AI以外の消費市場も底を打ち、緩やかに回復していると説明した。スマホについても、在庫水準は健全で、心配は要らないと述べた。

 魏・董事長は、TSMCの顧客は500社以上で、あらゆる消費市場を網羅していると説明した。TSMCは、顧客だけでなく、顧客の顧客とも密接に連携して、生産能力を計画しており、顧客とのプロジェクト立ち上げは少なくとも2~3年前から準備しており、業界内で最も深く、広い知見を得ていると述べた。

 

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