ニュース
社会
作成日:2008年12月24日_記事番号:T00012474
公開企業の経営者が自殺、損失拡大を苦に
世界金融危機の影響から台湾でも多くの企業で従業員削減などリストラ策が取られる中、店頭公開企業の経営者で、経営難によるストレスが原因とみられる初の自殺者が出た。24日付蘋果日報が報じた。
警察の捜査によると、液晶パネルモジュールを生産する店頭公開企業、達威光電(データ・インターナショナル、台北県汐止市)の謝文正董事長(61)は、きのう(23日)深夜3時ごろ台北市内湖区安康路で、車内にコンロでガスを充満させ、自分の腕などを切り、意識がもうろうとした状態で運転し、路肩に停めてあったパワーショベルに衝突した。衝突の衝撃で車内でガス爆発が起き、謝董事長は救急車で病院に運ばれたものの助からなかった。死因は窒息とみられる。また車内では、「ストレスが大き過ぎる。皆さんさようなら」と遺書らしい言葉が見積書に書かれていたのが見つかった。
1990年創業の達威光電は、現在単月の売上高が昨年同期に比べ50%以上減少し、株価もピークだった昨年の33.6元から、きのうの終値で4.51元まで落ち込んでいた。
亡くなった謝董事長の息子は、「父親は責任感が強く、最近会社が赤字を出したことで株主に申し訳が立たないと思い詰めたのだろう」と語っている。