ニュース 農林水産 作成日:2025年10月27日_記事番号:T00124889
台中市梧棲区の養豚場で死んだ豚の検体から家畜伝染病、アフリカ豚熱(ASF)の陽性反応が出た問題で、ASF中央災害応変中心(対策本部)は25日、PCR検査でASFの確定診断が出たと発表した。ASF発生は台湾で初めて。国際獣疫事務局(WOAH)に通報し、豚肉の輸出を一時停止した。卓栄泰・行政院長は26日、対策本部の会議で、感染拡大は確認されていないが、ウイルスの潜伏期間を考慮し、豚の移動、食肉処理、残飯による飼育の禁止措置を10日間延長することを決めた。5日ごとに防疫計画を見直す。27日付聯合報などが報じた。
ASF防止のため残飯を豚の飼料として使用することが一時禁止されたのを受け、卓・行政院長(左)は26日、残飯を焼却、埋め立て、堆肥化するいずれの場合も、防疫を最優先に実施するよう求めた。右は盧・台中市長(26日=中央社)
盧秀燕・台中市長は、死んだ豚はすべてPCR検査を行うと表明した。ASFが発生した養豚場だけに封じ込めることが目標だと語った。市内168カ所の養豚場を全数調査し、うち16カ所が休業中、その他は陰性だったと報告した。
陳駿季・農業部長は、全国5441カ所の養豚場を立ち入り調査した結果、現時点で異常は見られないと説明した。ASFウイルスの潜伏期間は15日のため、26日から第2次調査を開始する。
ASFの感染拡大を防ぐため、豚の移動や食肉処理の禁止措置を10日間延長したことを受け、台中市政府は26日、公設市場の豚肉販売業者に対して販売ブースの使用料を免除する措置を取った(26日=中央社)
ASFの発生源について農業部は、ウイルスの遺伝子解析には時間がかかるため、中国かベトナム由来かはまだ判断できないと説明した。結果が出次第、公表する。
農業部は、感染確認後3カ月以内に、新たな症例が発生しなければ、ASFの清浄地域への復帰を申請できると説明した。
■豚肉、1カ月は安定供給可能
頼清徳・総統は25日、国内の豚肉の在庫調整を行うよう命じた。関係者によると、全国の豚肉在庫は約6万トンで、少なくとも1カ月は安定供給できる。
農業部は、業界団体の協力で、スーパーマーケットや量販店への冷凍豚肉の供給を増やす。豚肉の代替品として、鶏肉を17万トン準備する。2カ月間の供給量に相当する。
■無資格投薬疑惑も
ASFの感染が判明した台中市の養豚場では、今月10日から豚が死に始めたのに、台中市政府が検体採取と検査を行ったのは20日だったため、通報が遅れたと批判が出た。
養豚場の経営者は当初、「獣医が診断し投薬した」と説明していたが、26日になって、診断と投薬をしたのは、資格のない獣医助手だった疑惑が浮上した。同日夜になると、養豚場の経営者は、自身の長年経験を基に、薬を購入したと発言内容を変更した。
台中市政府農業局は、既に関連する証拠を検察に送付しており、通報の遅延や動物伝染病防治法違反の有無は司法の判断を待つと説明した。
■陽性の豚死骸、馬祖に漂着
台湾で初のASF感染が確認された直後、中国福建省に近い離島の馬祖列島(連江県北竿郷)の芹壁海岸に豚の死骸が漂着し、ASFウイルス陽性反応が確認された。豚の死骸はその場で焼却・消毒された。
農業部は即日、11月1日まで、馬祖産の豚肉と豚肉製品の輸送を1週間制限すると発表した。
統計によると、漂着した豚からASFウイルス陽性反応が確認された事例はこれで20件目となる。内訳は、▽金門県、16件、▽連江県、3件、▽新北市、1件──。
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