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《アフリカ豚熱を初確認》豚移動・食肉処理を解禁、アフリカ豚熱感染を封じ込め


ニュース 農林水産 作成日:2025年11月6日_記事番号:T00125135

《アフリカ豚熱を初確認》豚移動・食肉処理を解禁、アフリカ豚熱感染を封じ込め

 台中市梧棲区の養豚場で家畜伝染病、アフリカ豚熱(ASF)への感染が確認された問題で、ASF中央災害応変中心(対策本部)は5日、感染を封じ込めたと宣言した。15日間禁止していた豚の移動を6日正午から、食肉処理と競りを7日午前0時から解除すると発表した。残飯を使った飼料の利用禁止は継続する。禁止期間中に影響を受けた業界関係者の補助金申請を7日から受け付ける。6日付自由時報などが報じた。

/date/2025/11/06/00market_2.jpg台中市政府経済発展局は5日、食肉処理解禁を前に、市内16カ所の市場で消毒作業を実施した(5日=中央社)

 対策本部指揮官の陳駿季・農業部長は、台中市の養豚場以外に感染は確認されていないことから「感染ゼロの目標を達成した。協力に感謝する」と述べた。早ければ7日夕方の市場で温体豚(チルド肉)が販売され、8日には全土の市場で食肉の供給が再開されると説明した。

 陳・農業部長は、感染の原因が加熱が不十分な残飯だったと指摘し、▽十分な加熱の徹底、▽リアルタイム監視態勢の確立、▽法令整備──の3条件が満たされるまでは、残飯の豚飼料への利用禁止を継続すると述べた。環境部は、学校給食などでの残飯回収を引き続き支援し、費用は中央政府が補助すると説明した。

 陳・農業部長は、「防疫作業は中断しない」として、卸売市場への輸送中に死んだ豚や、解体過程で異常が見られた豚は年末まで全て検査に回すと強調した。ASFの「清浄地域」再認定については、3カ月間新規感染がないなどの条件を満たした上で、国際獣疫事務局(WOAH)への申請を検討すると説明した。

/date/2025/11/06/00agri_2.jpg陳・農業部長が5日午後の記者会見で、豚肉の解禁を発表した(5日=中央社)

 環境部環境管理署の劉瑞祥・副署長は、梧棲区の清掃隊が回収した残飯の一部が、感染が確認された養豚場から別の養豚場に横流しされていたことが確認されたとして、廃棄物清理法(廃棄物処理法)違反で、両方の養豚場に最高で1000万元(約5000万円)の罰金が科されると明らかにした。

■飲食店にも安堵感

 ASF感染で営業休止やメニューの変更を余儀なくされていた食肉市場や飲食店では、安堵感が広がった。「台湾人は豚肉をよく食べる」として、豚肉の消費回復に期待する声が上がった。

 魯肉飯(ルーローハン、豚肉かけご飯)で有名な彰化県の「阿泉爌肉飯」は禁止期間中、豚肉の代わりに鶏肉を使い、鶏腿飯(鶏肉かけご飯)を販売していた。店主の謝泊宏さんは、解禁に「喜び半分、不安半分。豚の飼育期間が延びて脂が増えたため、余分な脂を落とさないといつもの味が出ない」と語った。また、豚肉価格は一時的に下がっても、春節(旧正月、2026年は2月17日)前後に価格が高騰すると予想した。

 中華民国養豚協会の潘連周・理事長は、現在は単一事例にとどまっているが、残飯を使った養豚を再び認めれば、また感染が発生する可能性があるとして、政府に残飯利用の全面禁止を求めた。

 豚熱専門家で国立台湾大学獣医専業学院の李淑慧・兼任助理教授は、解禁後は慎重な対応が求められ、特に豚を運搬する車両が食肉市場から養豚場に戻る際の消毒を徹底する必要があると指摘した。

 

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