ニュース 社会 作成日:2025年12月5日_記事番号:T00125729
内政部は4日、中国のSNS(交流サイト)「小紅書(rednote)」で詐欺が多発しており、台湾からのアクセスを1年間遮断すると発表した。詐欺アカウントが多いので中国にある運営会社に改善を求めたが回答がなかった。台湾政府の情報機関、国家安全局(国安局)の情報セキュリティ検査も不合格だった。小紅書のアクティブユーザーは世界で3億人で、台湾では300万人以上が利用している。5日付聯合報などが報じた。
内政部の馬・政務次長(左2)は4日、小紅書の運営会社の出方次第で、今後の対応を決定すると説明した(4日=中央社)
小紅書は2013年に中国で開発され、中国版インスタグラム(IG)と呼ばれている。電子商取引(EC)機能を備え、アプリから商品を購入することができる。
詐欺対策本部、行政院打撃詐欺指揮中心の指揮官を務める内政部の馬士元・政務次長は、24年1月以降に発生した詐欺は1706件で、被害総額は2億4768万台湾元(約12億円)に上ったと説明した。内政部は10月14日に、小紅書の運営会社、中国行吟信息科技(上海)に対し、改善を求めたが、回答はなかった。
統計によると、詐欺が多いSNSは順に、▽フェイスブック(FB)、▽インスタグラム、▽Threads(スレッズ)、▽TikTok(ティックトック)、▽YouTube(ユーチューブ)──。
馬・政務次長は、▽FBの運営会社メタ・プラットフォームズ、▽YouTubeの運営会社グーグル、▽TikTok、▽LINE(ライン)──は台湾の法律に従い、台湾に責任者を置き、詐欺防止に協力していると説明した。一方、小紅書は1年でユーザーが100万人も増えたが、台湾の司法当局に協力せず、データを提供しないので捜査が難航し、被害者は損害賠償を請求できない状況だ。
行政院打撃詐欺指揮中心の頼正庸・副執行秘書は、SNSのプラットフォームは台湾に責任者を置かなくてはならず、ECの機能があれば、商業登記と税務登録も必要だが、小紅書は順守していないと説明した。
馬・政務次長は、国安局が実施した情報セキュリティ検査で、小紅書は15項目が不合格だったと説明した。不合格の項目は、▽過度なアプリケーション権限の要求、▽アドレス帳、クレジットカード番号、生体情報などの個人情報の収集、▽不要な個人情報を勝手にアップロードする行為──など。ユーザーが一旦これらの権限を許可すると、個人情報が流出して不正利用されるリスクがあり、詐欺などの犯罪に悪用される可能性もあると指摘した。
内政部は、詐欺犯罪危害防制条例42条の規定に基づき、小紅書へのアクセスを遮断した。今年1~11月に同条例に基づいてアクセスを遮断したサイトは4万5000件以上ある。
■不使用を呼びかけ
内政部は、小紅書は情報漏えいのリスクがあるので、利用しないようにと呼びかけた。
現時点でも、小紅書のアプリのダウンロードやアカウントの新規登録は可能で、一部ポストも閲覧できる状態だ。小紅書が使用しているIPアドレスは1000以上あり、順次ブロックする。専門家は、アクセス遮断後も仮想プライベートネットワーク(VPN)や海外のサーバー経由で、利用できると指摘した。
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